「コロナに負けない!」の言葉、度々目にします。確かに言いたいことはわかります。
ただ、コロナってウイルスで、人間だれしもが感染の可能性を持っていることで、生きている者がウイスルに感染して一時的に体調を崩すというのは、言ってみれば当然のこと、仕方がないことです。
そんなウイスルに対して「負けない」という言葉を使うことに違和感を覚えるわけです。
感染したら負けなのか。感染した人やお店やコミュニティは負け組なのか、と。
病気を勝ち負けと捉えてしまうことにより「あの人はコロナに感染した=負けた人=感染していない自分(たち)よりも下の人間」という差別的な発想が生まれてしまいやすいのです。
病気は勝ち負けではなく、罹患するかしないか、ただそれだけです。
「欲しがりません勝つまでは」など、精神論を勝ち負けとごっちゃにしてしまうのは、まさに75年前までの戦争の時から変わっていない危険で生産性のない日本人の残念な思想で、自治体がスローガンとして「コロナに負けない」を掲げているのを見ると戦時下から何も変わっていないプロパガンダにゾッとします。
当然、無闇に感染を広げる必要などありません。罹患しないほうが健康面では良いに決まっているわけですから、それなりの努力や対策をして、健康な生活を目指すことは、日常生活を送る上で大切です。しかし、万が一感染した人やお店、団体などがあっても、それを差別的に捉えるのは最悪です。これはコロナの話に限ったことではありません。
ともかく、病気は勝ち負けではないのです。
荻原明(おぎわらあきら)
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