AR Resonanceマウスピース

ずーーっと前から気になっていたAR Resonanceのマウスピース。

買っちゃいました。


とは言ってもJun'sのマウスピースを使わなくなったわけではありません。あんなにすごいマウスピースを手放すことはしませんので。


レゾナンスは飛び道具用です。ポップスとか、ちょっとパリっとした音を出したい時にJun'sだと分厚くてシンフォニックに響きすぎるので、そのために購入。

しかし、これまでどんな曲でもひとつのマウスピースで通してきた者としては、コンパクトサイズのマウスピースというものを吹いたことがありません。ましてやそれを実演で使ったこともなく...なので、実際のところどんなのが良いかさっぱりわからないままとりあえず新大久保の大久保管楽器さんへ行ってきました。


お店に行ってマウスピースを見ていたら、店長さんが来てくださって、


「荻原さんですよね?」と言われてびっくりしました。どうやら僕が書いた本とかブログを見てくださっていて、...マスクしているのに、すごい。ありがとうございます。

その店長さんに事情を説明し、相談して、いくつかピックアップしていただき、いざ試奏になったわけですが、トップ部分とバックボアの組み合わせだけでも何通りもあって、この試奏、今まで経験したことない難しさ。

そもそもどんな音でどんなコントロール感が自分が求めているものなのかがハッキリしないので本当に悩みました。悩みすぎて1時間30分くらい吹いていた気が。しかもハイノートの質を追求するのでずーっとHigh BからFあたりを出して疲れました。


おかげでこのマウスピースの持っている雰囲気が見えてきて、1つの組み合わせに辿り着きました。


トップはMDのブロンズ(Bach3相当)

バックボアはLead


Bachの3程度のサイズですが、もっとコンパクトな印象を持ちます。カップサイズの影響が大きいのでしょうね。

非常に興味深かったのが、トップの素材がブラス(真鍮)とブロンズ(銅)で音の反応が全く違う点。ブラスはこれまでに使ってきたマウスピースと同じで、よく知ってるフワっとした反応。それ対して、ブロンズは反応がものすごい速く、音のまとまりが凄い。シンフォニックな要素を求めるのであれば音のエッジが効きすぎるかもしれません。


また、今までマウスピースを選ぶというのはリムやカップ、スロートサイズで見るのが普通でしたが、レゾナンスはバックボアを選べるのが興味深いところ。今回求めていた音の質や、体が受ける空気抵抗感から、細いLeadというサイズを選びました。


翌日、音楽教室で吹いてみたところ、求めていた感覚と結果そのもので一安心。Jun'sだとB管でHigh Cまでは特に問題なく出せるのですが、さらに2度上のHigh Dになると途端に不安定になっていたのがレゾナンスではしっかりと鳴ってくれます。

ざっくりした言い方をすれば、Jun'sでFとかGあたりの音を吹いている感覚でHigh Bが鳴るので、レゾナンスに替えると同じ吹き方で3,4度上が鳴る感覚があります。

マウスピースもこうやってみると面白いものですね。

実践で使わないとまだわかりませんが、そもそもマウスピースをあれこれ手を出すのは主義ではないのでしばらくはこれで十分な気がします。


大久保管楽器さん、店長さん非常に的確なチョイスありがとうございました!




荻原明(おぎわらあきら)

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