音楽を職業にすること

毎週火曜日にこのブログとは別の「ラッパの吹き方:Re」というトランペットや音楽に特化したブログを掲載しています。ぜひそちらもご覧ください。

ここ最近はちょっと趣向を変えて「音楽のお仕事」について書いています。いわゆる職業としての音楽活動の話で、一般的音楽でお仕事をしていると言うとステージに立って音を出している人を連想しがちですが、それは一部分のことであって、もっともっと音楽の仕事はたくさんありますよ、と具体的ないくつかについても紹介しています。


ところで、僕の話ですが、僕は自分で 自分の演奏を上手だなんて思ったことありません。いや、誤解されるのでちゃんと言いますが、だからと言って下手だなんて言ってませんし思ってません。


どういうことかと言うと、世間一般からすると「音楽家」=「超一流な演奏をする人」という見られ方をすると思うのです。逆に言えば、そうした演奏をする人のことを一般的に「この人はプロだね」なんて言い方をされたりもします。


先ほどリンクした「ラッパの吹き方:Re」でも同じことを書きましたが、音楽の世界はプロテストとか、免許とか、全音楽家を統括する組織とか、そういうのはありませんから、「私はプロです」と言ってしまえば誰でもみんなプロになれるのです。

だから世界的有名な音楽家も、音大を出たばかりで活動をしている若い人もみんなプロです。ただし「自称」を含みます。


そうした世界の中で、自分の演奏レベルに関していえば、決して上のほうにいるとは思っていません。もうそれはしょっちゅう痛感させられています。しかし、だからといってトランペットに向き合うことを怠っているわけではありません。楽器を吹かない日は一年のうちに数回あるかないかです。

それでもやはり自分よりハイレベルなトランペット奏者がめちゃくちゃいっぱいいらっしゃいます。僕よりも20歳以上若い人でも「僕よりずっと上手だな」と思う人はたくさんいます。卑下なんてしてません。事実です。でも自分の演奏にプライドも持ってます。でも上手だとは思っていません。でも手は抜きません。


じゃあそんな僕はこの音楽の世界に存在する必要はないのか、というと、それは違うと思っています。先ほど言ったように、音楽の仕事は演奏することだけはないからです。音楽という世界の中に自分の存在価値(需要)がある場所があると思っているし、その場所をもっと深く掘り下げよう、もっと広げよう、もっと多くしようとする意思を強く持っています。


地に足がつかない不安定な世界だからこそ、どっしり構えていられるように努力を怠らないでこれからも突き進んでいきます。


ところで僕は自分で自分のことを「プロ」だと言ったことはありません。事実上プロの人で「私プロですから」と(本気で)公言している人を見たこともありません(便宜上の言葉として使用している状況を除く)。


いや、なんでそんなこと言うかといいますと、「プロだったら」「プロなんだから」「プロというものは」ってプロって言葉を連呼する人がいて、妙な違和感を覚えたもので。なんですかね、自分の身を守るのに必死なんですかね。

荻原明(おぎわらあきら)

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