商店街、という場所

僕は横浜の弘明寺(ぐみょうじ)というところで生まれ育ちました。

弘明寺は名前の通り弘明寺観音というお寺があって、そこからまっすぐに長いアーケード商店街が続いていて、そのちょうど真ん中あたりに大岡川という川が突っ切っています。大岡川のプロムナードはとても長い距離に桜が植えられているので、春になると川沿いが延々とピンク色に染まるという、結構良い感じのロケーションだと自分でも思います。


今でこそチェーン店が増えて趣きもなくなってしまった感がありますが、昔は個人商店が連なっていて、同級生の家がお店をやっていたり、クレープ屋さんで働いている同じクラスの友人のお母さんから声をかけられて御馳走してくれたり、夏は3と7の付く日の夜になると縁日の屋台が連なって盛況だったりと、今から思えばまるで昔の映画みたいな日常を送っていたんだなあ、と書いていて今更ながら感じます。


そんな昔のことを思い出したのは、年末に下北沢で、劇団「ネコ脱出」の演劇、「あめちゃんシャワー」を観たからなんです。

舞台は架空の商店街で、商店街事務所の人とその商店街でお店を営んでいる人たちの笑いあり涙あり無茶振りありの人情ドラマ。


80席くらいの小さな劇場ですが、だからこそ感じられる臨場感。もう本当に目の前で演技をしていらっしゃる、それだけでストーリーの世界観に取り込まれていく感じでしたし、やはりプロの演技はすごかったです。

舞台上から客席へパフォーマンスをすることで何かを伝えようとするのは演劇も音楽も、舞台芸術と呼ばれるものはすべて根底は同じですから、演劇を楽しむと同時に、いろいろ勉強になりました。


こんな話をTwitterでしたら、出演されていた方からたくさん「いいね」やコメントをお寄せくださって、勝手に親近感を覚えてしまいましたが、本当に最初から最後まで楽しい時間を過ごさせていただきました。


また観に行きたいと思います。



荻原明(おぎわらあきら)










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