チケット代って2,30年値上がりしてない気がします

詳しく調べたわけではありませんが、クラシックのチケット代って全然値上がりしてませんよね多分。

特に、室内楽とかリサイタルといった少人数で行うコンサートのチラシを見ていると、だいたいどれも3,000円から4,000円くらい。


この価格帯って、僕が音大生の頃...25年前と同じではないかと(オーケストラは倍くらい値上がっている気がしますが、これが通常だと思います)。


市場に出回る物の値段、具体的にはコンサートを行う上での経費は確実に高くなっているのだから、そうした価格設定も並行して上げていかないとおかしいので、バランスが悪くなっているはずです。


もちろん、後援が付いているか自主公演かによっても違うと思いますが、例えば小さなキャパの会場で、数名の室内楽の自主公演でチケット代が3,000円とか4,000円だと、1人に分配されるチケット代収入は経費を差し引いてどの程度になるのか計算するとちょっと心配になることも(お節介な話ですが)よくあります。演奏会は本番のずっと前から企画し、リハーサル回数と時間分の練習場代やそこへ向かう交通費、食費なども経費と考える必要がありますし、なによりそのリハーサルのためにスケジュールを確保したその時間もギャランティが発生しなければいけません。


今、架空のコンサートを考えてみたんですが、弦楽4重奏の自主コンサートをチケット代3,000円で公共施設の練習場と公共施設のホール120席でやったとして、練習3回各3時間、チケット代を仮に3,000円に設定し、それが完売だった場合、売上が360,000円。そのうち経費合計が198,000円で、ひとりに支払われる額が40,500円になりました(経費の計算は適当ですが)。

練習が時給1,000円だとすると合計9時間で9,000円。本番の日が31,500円の内訳。


それだけもらえれば十分じゃないか、と思うかもしれませんが、経費をかなり安く見積もっています。例えば公共施設を使用したと仮定しましたが、そのホール代を30,000円にしてみました。しかし、公共施設の場合、入場料を徴収する催しは突然2,3倍の使用料に跳ね上がったりするし、ピアノが入ったらその使用料や調律代も入るのでもっとかかります。チケットも招待や学生券の用意、出演者が勝手に割引をするかもしれないので120席が全部設定価格通りに販売するとも限りません。そもそも完売するかもわかりません。


他のところからの支援金があれば別ですが、多くの完全自主公演でのチケット代は安すぎるような気がします。


ただ、これはある程度足並み揃えて価格帯を上げないと「あのコンサート高い!」と言われてしまい、バランス悪くなってしまうんですよね。


なんてお節介なことを考えてみました。



荻原明(おぎわらあきら)

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