バイトの問題は学校と社会の線引きが違うから

最近またアルバイトが(あくまでも本人が)楽しそうな動画を垂れ流しております。


いろんな意見があると思います。


いや、ダメだと思います、やっぱり。特に飲食関係で衛生面に関わると、さすがにお店全体の印象どころか、その系列の飲食業すべてがなんだか不衛生に感じてしまいます。


こんな動画をSNSなどに流してしまったらお店や自分自身にどんなことが起こるのか、少しでも理解できていればこんなことしないのではないか、常識が足りない、と言う人も多いです。僕もそう思います。余計なことしなきゃいいのに、って。


ただ、僕自身のことを思い出してみたんですね。通っていた高校はバイトOKだったので興味本位で実家近くのコンビニで夕方から週2でバイトしていたことがあります。

でも働くということ、大人を相手にするということ、お金が発生すること、学校とは違う環境であるということ、そうした様々な初めてに、自分がどのように振舞って、対応すれば良いのかさっぱりわかりませんでした。

バイトではとにかくレジなどの正しい操作や応対についてだけしか教えてくれないわけで、もちろん笑顔で声を出していらっしゃいませと言うとかはありましたが、やっぱりわからないことが多すぎる。

生まれて16年、ずっと家庭と学校という守られた空間でしか生きてこなかったわけで、それらはやはり社会とはまったく違う環境なのだとわかりました。

わかったけど、どうしていいかわからない。ノリや感覚、発想はどうしても学校のテンションを引きずってしまう。


学校って、本当に自由だなと今になって思います。責任というものがほとんどない。社会との違いを教えてくれるわけでもない。「怒られる」ひとつとっても学校で怒られるのと社会で怒られるとではそこに込められた意味が全然違う。


そんなだったので、高校生の時のコンビニバイトは、どうしようもないくらい不真面目でした。言われたことをやっているような状態で、率先して学ぼうとしないし、反省をステップに繋げようとしない。だから同じミスをする。お客さんからクレーム。店長に叱られる。もともとモチベーションが低いのでどんどんイヤになってくる、もっと学ぼうとしなくなり、店そのものが嫌いになり、どうでもいいや、という雰囲気になる。

お客さんがいなければふざけて遊んでしまうし、態度も悪い。で、また怒られる。挙句辞める。


半年くらいで辞めちゃいました。吹奏楽部も忙しかったし。


だから、今とても話題になっているバイトの問題って、言い方が変ですが、ちょっとわかるんです、ああいった感覚が。僕が高校生の時代には動画を撮影する術も不特定多数の人に発信する術ももなかっただけで、もし今僕が高校生でバイトをしていたら同じようなことをしていたかもしれません。


モラルとか学習能力とかではなくて、社会人にはない自由な発想と行動力があり、その線引きが違うのだと思います。だから大人がその線引きはバイトでは危険だから(なぜ危険なのか理由や結末も含めて)と理解できるように説明する必要があると思います。


仕事マニュアル、業務内容や接客応対だけでなく、学校とは違う自由の境界線を伝えれば、こうしたことも少なくなるのでは、と思っています。




荻原明(おぎわらあきら)

0コメント

  • 1000 / 1000