安売りをすると質が下がります

商品単価が安くなるとどうなるか。

安くなってありがたい、と購入してくる人がいるだけにならず、「安いから購入できる層」が訪れます。


「安いから購入できる」層の人の中にはそれなりの人がいるわけで(もちろん全員そうとは言ってない)、ちょっとびっくりするようなクレームを言ってくることもあります(経験則)。

一方で少々お高めなお店には「安いから購入できる」層の人が来ないために、そういったおかしなクレームでトラブルは起こりません。違う内容(レベル)でびっくりするようなことを言う人はいますが(経験則)。


これらは若い頃からいくつかのバイトや仕事をしてきて感じたことではありますが、インターネット上でも普段の会話の中でも同じ話題をよく耳にするので、多分これは一般論なのだと思っています。


安さを売りにしているお店は、そうした突拍子もないクレームや提案が多いので、本来必要でない仕事が増えて業務に支障をきたすことも多い。

残念なことに「安かろう主義」のお店は、経営している人もそれなりの発想の場合が多くて、「お客様は神様主義」であり、すべてのクレームを馬鹿正直に受け取り、いちいち改善を従業員に強いるのです。常識的に考えたらそんなことスルーしてしまえばいいのに!ということもすべて「お客様からのありがたいお言葉」とでも言うように今後の対応ルールとして追加設定してくる。気が付けば食品のパッケージのようにいたるところに文字文字文字の注意書きのような、まるで辞書ようなマニュアルが作られていくわけです。


従業員は通常業務に加えてやることがどんどん膨れ上がる。そこでマトモな思考を持った従業員は、この働き方が異常だと離れていく。穴が空いてしまえば業務に差し支えあるから当然新たにバイトを募集し補充する。その繰り返しの中で精査されてきた「こんな業務レベルでも辞めない(辞められない)人」の職場になるわけです。


クレームは絶えない→従業員の質は落ちる→だからマニュアルが増える。健康な経営は難しいです。当然売上にも影響が出る。


この考え方はどんな業種でも通用すると思います。単価を適切な価格より下げると、その瞬間は人が集まってくるかもしれないけれど結局長くは続かない。


価格を下げるということは、質が下がることに繋がってしまうからです。




荻原明(おぎわらあきら)

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