コンビニPBから見た「伝えること」の難しさ

僕はTポイントを貯めている手前、もっぱらファミマユーザーなのですが、TwitterでセブンイレブンのPB(プライベートブランド)の飲み物のデザインが変わり、視認性が非常に悪くなったとのツイートをいくつも目にしました。

なるほどこれは酷い。覗き込まないと何のお茶か把握できない。

このご時世ですから、商品を片っ端からベタベタ触ることも触られることも敬遠する方もいらっしゃると思いますし、ますます状況は悪くなりそうですね。


PB商品デザインで物議を醸したと言えばローソンです。

ローソンにもあまり入らないのですが(ファミマユーザーなので)、ツイッターの投稿を見る限り、こちらもなかなかのものですね。

ローソンのパッケージデザインは、個人的には嫌いではありません。柔らかくて可愛らしいと思います。そういった意味でのデザイン性の高さとしては印象が良いですが、あくまでも商品。消費者がそこにあるのは何かを瞬間で理解できることが大切です。

とくにコンビニは、ゆっくりお買い物をするよりも最初から購入したいものがあって入店する人が圧倒的に多く、視認性の高さが重要です。見つかりにくいというストレスは常連客を減らす要因になりかねません。


商品デザインと視認性の高さ。この二つのバランスが重要です。


商品のパッケージデザインをされたデザイナーさんのインタビュー記事があったのでざっと読んでみました。

読んでみて、ローソンというブランドを意識しているとか、何かと内的なデザインイメージを持っているように感じました。


確かに同じデザインの商品が棚にずらりと並べば、統一感があって安定した美しさを表現できるかもしれません。しかし消費者にとってそれは、目的の商品をひとつひとつ見て探さなければならないストレスにしかなりません。消費者の目線を考えていない印象があります。


デザインというのは「人に伝えるもの」。ブラウザ上に出てくる広告や、YouTube広告動画、電車の広告、テレビCM、そしてお店の中にある商品。「伝える」という意味は同じであっても、その手段は少しずつ異なります。それは、見る人が置かれた状況がそれぞれ違うからです。ローソンのデザインをされた方は素晴らしいデザイナーさんだと思いますが、このデザインは商品に使うべきものではないのかな、と感じます。


「人に伝える」。これは芸術も同じです。表現というのは相手に何かを伝えることです。音楽をすること、楽器を演奏することは自分自身が楽しむためでもありますが、演奏を聴いてくださる方へ伝えることが本来の目的だと考えています。


今回のコンビニのデザインを見て、伝えることの難しさを感じました。


音楽を伝える、というお話は「ラッパの吹き方:Re」という音楽やトランペットに特化した内容を書いているブログで、以前書いたことがあります。こちらもぜひご覧ください。

荻原明(おぎわらあきら)

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