先日、東京佼成ウインドオーケストラの60周記念コンサートを聴きに行きました。
今年はコロナで音楽イベントも縮小せざるを得なくなってしまいましたが、実現できて本当によかったと思います。
今回のプログラムはホルストの「吹奏楽のための第一組曲」やグレインジャーの「リンカンシャーの花束」などの名作も大変興味がありましたが、保科洋氏の委嘱初演「吹奏楽のための交響曲第3番」がとても楽しみでした。
僕が所属していた吹奏楽部は人数も多くなく、決して上手なバンドではありませんでした。でも本当に吹奏楽が好きでトランペットが好きで、楽器を吹くためだけに学校に通っていたような感じでした。そんな中学3年生の吹奏楽コンクールで演奏した作品が、1987年度の課題曲だった保科氏の「風紋」でした。それを自由曲として演奏したのですが、幻想的で奥行きのあるこの作品の美しさは、中学生の僕にはこの作品をどのように演奏すれば良いのか結局わからないままコンクールの舞台に立っていた記憶があります。
僕が中学生の頃はちょうどアメリカの作曲家、スウェアリンジェン作品が大ブームでB組(小編成)の吹奏楽コンクール地区予選などはほぼ全ての学校がスウェアリンジェンを演奏していたくらいです。スクールバンドでも演奏ができるシンプルな構成で音域も優しく、すべての楽器が活躍できるように書かれていて、しかもなんかカッコイイ。
そんな感じで保科氏という作曲家を知って、吹奏楽の魅力をさらに受けて今もなおトランペットを演奏している自分にとっては、今回の新作を聴かない選択肢はなかったわけです。
作品はとてもパワフルで素晴らしい作品でした。ぜひ音源でも何度も聴きたいです。
僕はツアー初日の東京芸術劇場に行きまして、保科氏も会場にいらしていましたが、なんと後日の広島公演ではアンコールで「風紋」を指揮されたとのこと。聴きたかった!
昨日、創立60周年記念コンサート広島公演終演しました。御来場ありがとうございました。
— 東京佼成ウインド・ステージマネージャー (@tkwostagemanage) November 11, 2020
アンコールは保科先生に指揮して頂きました。凄かった。感動です。
本日は開演18時30分 楽団創立60周年記念 福岡公演@アクロス福岡シンフォニーホールです。 pic.twitter.com/NvAriLQ6F7
今回は他にも芳賀傑作曲「水面に映るグラデーションの空」という作品も演奏されていまして、これは初めて聴きましたが美しい響きの素晴らしい作品でした。
講師をしている東京音大の吹奏楽アカデミーでいつもお世話になっているクラリネットの原先生は、佼成ウインドの団員さんで、この芳賀氏と高校の同級生なのだそうです。先日の授業でコンサート行きます!とお伝えした時に、その話をしてくださいました。
ティンパニの坂本先生も吹奏楽アカデミーでご一緒させていただいております。繊細かつ力強い演奏、本当に素晴らしいです。
純粋にコンサートとして楽しませていただいたと同時に、洗練された管楽器の響き、トランペットセクションのクオリティの高さなど、すべてがとても勉強になりました。
ありがとうございました!20日の新潟公演まで頑張ってください!
荻原明(おぎわらあきら)
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