まだ少し先ですが、トランペットオンライン講習会の最後、第11回目(10/23開催)は『指揮者や指導者がよく使う言葉の翻訳をしよう』という、何とも変わったタイトルでございます。
外国人指揮者に言われた言葉がわからないから日本語に翻訳しようとか、そういうのではありませんのでご注意ください。
元を辿れば僕が中高生の時の吹奏楽指導者さんまで遡るのですが、これらの方々は音楽を専門に学んだ人ではなく、その学校の卒業生というだけだったのもありますが、とにかく何を言っているのかいまいちわからない抽象的な言葉が多かったり、例えば「もっとハッキリタンギングして」とは言うのですが、ハッキリしたタンギングの仕方を教わっていないためにどうすれば解決するのかわからない。試行錯誤していると再び「だからそこはハッキリタンギングしろ!」と怒鳴られる。こんなどうしようもないストレスフルな合奏がとても多かったのです。
他にも、これは多分ほとんどの人が一度は言われたことがあると思いますが「もっと音を遠くへ飛ばして」という抽象的な言葉も、では具体的にどうすればそれが実現するかを正しく教わった人は限られているのではないか、と思うのです。大体が「ホールの一番後ろの客席に届くようにイメージしなさい」とか「窓の向こうにある一番遠くの山に向かって」とか、矢でも撃つんですか?のような抽象的な要求を抽象的な言葉で補い、あたかも本質をついているかのような雰囲気だけを作って終わってしまうことが経験則ですが多く見受けられます。
ただ、今回の企画は指導者さんをdisるのではなく、抽象的な言葉を(フィジカル的、イメージ的側面からの)具体的な方法と結びつけるための思考のアクセス方法について考えてみましょう、というのが趣旨でございます。
音楽というのは大変に抽象的で、感覚的。ですからレッスンや合奏指導でも指導者さんから出てくる言葉にはそうした具体性のない言葉が散りばめられて当然です。レッスンを受ける側はそれが明確な具体的指摘なのか、それとも抽象的なものかを判断する力を持っていなければなりませんが、吹奏楽部員全員その仕分けスキルを持ちましょうというのはちょっと無理があるわけです。
すでに僕の中にも今回話題にしたい言葉のストックはありますが、それだけでは面白くないので、一般募集をしようと思います。
以下にリンクバナーを置きましたので、ぜひ投稿してください!
時間の許す限り解説したいと思いますし、オンライン講習会中にリアルタイムで質問してくださっても構いません。
開催は10月23日(土)18:00です。詳細はこちら。
ちなみにですが、僕が指揮者に言われて一番衝撃的だった第一位は「B管の太い音ではなく、C管の細い音で演奏して」でした。面白かったので本番だけB管に持ち替えて演奏し、無事にコンサートを終えることができました。
それでは。
荻原明(おぎわらあきら)
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