ほぼ全員クレーマーなんてことあるわけがない


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ハインリッヒの法則と呼ばれるものだそうで、あまり経営とか詳しくないので耳にした程度ですが、簡単に言えば、お店などに不満があっても96%の人は何も言わないとか、クレームが1件あると、問題を抱えた顧客が他に24人いて、そのうち6件は深刻な問題なのだそうです。

こちらのページを参考にしました。

今回言いたかったのは、この「何も言わない人」がとても多いということ。


確かに自分自身がお店や商品などについてクレームをしたことってあるかな?と考えてみたとき、記憶に新しいのは10年ほど前の1回だけです。以前住んでいた駅前のマックが、どこに並べばいいのか明確な指示がなく、ぐちゃっとお客さんが固まっていて、前にズイズイ出てきた人から優先的に注文を取っていて困ったので、お店じゃなくてネット経由でクレームを入れたのは明確に覚えています。が、他は...全然覚えていない。


もちろん多少気になることはあります。店員の態度とか衛生面とか改善したほうがいいだろうに、と思うこともあります。でもそれをいちいち口に出すのは時間も労力もかかるので、結局スルーしてしまいます。


きっと多くの人がこんな感じだと思います。何でもかんでもクレーム入れる「趣味なんですか?」って人は世の中には存在するようですが、それは別。


では、このハインリッヒ法則が大きく崩れることってどれくらいあるのでしょうか。例えばコンサートで演奏が酷くてその場にいるお客さん全員が怒って「帰れ!帰れ!」とか、ステージにリンゴの芯やら空き缶やらが飛んでくる昭和のマンガみたいな事態。あれって100%に近い人がクレームを直接入れている状態と言えますが、実際にあんな感じのことって起きるのでしょうか。そもそもコンサート会場でリンゴをかじっていたのはなぜなのか。


そこまで露骨な批判でなくとも、そこにいたお客さんのほぼ全員が何らかの方法でクレームを入れてくる、そんなことが起こるかというと、確率統計的に考えても、実際の状況を想定しても、経験則に照らし合わせても、まずありえないでしょう。


最初から同じ意思や目的を持った人が集まるデモのようなものは別です。


そうではなくて、その場に集まった人(面識ない人同士)のほとんど全員が最初は好意的だったのに、後から対象への捉え方や考えが変わり、その結果直接、もしくは電話でハンパない怒りのクレームをほぼ全員が個々でぶちまけてくる。しかも、その怒りがひとつのテーマに絞られておらず、感情的になりすぎて対象の人間の背格好や人格否定にまで発展する人が何人も出てくる状況なんて絶対ありえません。ハインリッヒの法則があるように、仮に何か思うことがあっても多くの人は声を出すことはほとんどなく、静かに離れていくのが現実のはずです。


この世の中には残念なことに戦争や殺人ですら肯定するような人が存在するわけですから、このクレーム殺到現象はやはり絶対にありえません。



荻原明(おぎわらあきら)

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