大学は1月でほとんどの授業やレッスンが終わります。残すは試験。
毎週19日水曜日に行われていた室内楽の授業も年度内最後だったので、各団体の授業の成果を披露する発表会を行いました。
吹奏楽アカデミーはそれぞれの楽器別に募集しているわけではないため、楽器ごとの人数の偏りがどうしても生まれてしまいます。しかもこの授業は2年と3年が対象なので、編成と曲を決めるのがとても大変。各楽器の先生方も指導だけでなく一緒に演奏する、吹奏楽アカデミーのスタイルはここでも展開されています。
幸い金管楽器は現2年生にユーフォニアムが4名いるために、中低音楽器に関してはトロンボーンパートを担当してもらうなどで何とかなるのですが、トランペットが1年生しかいない現在、大きな編成ができません。
そこでトランペットの1年生の他の授業に被っていない3名にエキストラとして参加してもらい、今回は無事編成を組むことができました。
室内楽を中高生の時に経験している人も多いのですが、それはアンサンブルコンテストに参加するために組まれる行事、と言った位置付けで行っていることがほとんどなので、年に1曲、しかも最近作られた作品を演奏する傾向にあります。それはそれで良いのですが、やはり室内楽の古典、原点と呼ばれる普遍の作品に取り組む経験はすべきだという考えで、授業の中でもエヴァルドの金管五重奏曲やファーナビーの舞曲集などにも触れ、今回の発表会ではガブリエリを演奏しました。
標題性もなく、ポリフォニックなバロック以前の作品を演奏した経験がない学生がほとんどの状態で、最初はどこを吹いているかみんなわからなくなったり、純粋な響きのハーモニーが一向に聴こえてこない悲惨な状態でしたが、最終的には何とか形になったような(ならなかったような)状態で発表することができました。
ガブリエリの作品の多くは半分ずつにわかれて向き合って呼応するように書かれていて、今回演奏する作品もそうでした。当初は座って近くで向き合って練習していたのですが、発表会当日のリハーサル時に、会場だったBスタジオをフルに使って上手下手に別れて演奏することになり、遠くなったので降り番だったユーフォの2年生に指揮をしてもらうという、当日いきなり気が変わるという、まあよくある(?)ことが今回もありましたが、ガブリエリらしくて良かったと思います。
吹奏楽合奏授業で学生がたくさん指揮の経験を踏ませてもらっている成果がここでも発揮できました。
来年度は来年度でまた新しい編成、メンバーで室内楽ができます。トランペットだけの編成もやっとできるようになりますので、いろいろ楽しみです。
荻原明(おぎわらあきら)
0コメント