音大受験の準備は早いほうがいい。
きっと多くの人がそう思うでしょう。では、それはなぜか。
受験に合格しやすいから?もちろんそれもありますが、そこじゃないんです。
例えば、専門の実技試験だけで入学できる学校があったとしましょう。楽器さえ上手であれば入学できるわけです。極端なことを言えば、楽譜が読めなくても入試の課題曲だけひたすら覚えて演奏できれば入学できる。
「楽器が上手」と言いましたが、実はちょっと違うかもしれません。もしかすると「試験の曲だけが上手に演奏できるだけ」かもしれないわけです。
もしも入試に向けて課題曲だけを猛練習した結果だとして、それは「課題曲だけが上手に演奏できる状態」です。見事音大に入学できたとして、いきなり個人レッスン、室内楽、吹奏楽、オーケストラ、その他様々な授業において異なる課題、異なる楽曲を演奏することになります。この状況でもし楽譜が読めなかったら、全てをこなすための練習時間の確保はどうしますか?きっと物理的に無理だと思います。いわゆる「授業についていけない」状態です。
では音楽理論、いわゆる楽典が中途半端だったらどうでしょうか。例えば楽語を全然知らなかったら。楽語での失敗あるある、例えば「riten.」。リテヌートの省略形ですが、これリタルダンドと見間違えてだんだん遅くすれば良いとおもってたら、恥ずかしい思いをするかもしれませんね。
調の理屈がわからなければ楽譜を読むのは絶対遅くなるし、運指も場面ごとにひとつひとつ覚えるしかありません。調がわからなければ音程もわからないでしょうから、音が取りにくくて音程が悪く、たくさんミスするかもしれません。初見も相当できないと思います。
せっかく音大に入っても、基礎力が足りなくてスタートで出遅れなんて残念すぎます。
もうおわかりでしょうが、音大入試の課題とは、「音楽大学に入ってからスムーズに授業を受けるための『当たり前のスキル』を身につけているか確認するためにある」と思ったほうが良いです。上手とか下手とかはその先の話であって、入試は「わかってるかわかっていないか」を見ているのです。
音大に入ってからの4年間なんて一瞬です。音楽を学ぶには短く、できることは限られます。そんな中、音楽の基礎理論の勉強をしているなんて本当にもったいない。もったいないオバケが来てしまいます。
ということなので、どこか特定の音大を目指すための入試勉強は高校3年生になってからで十分。ただし、その前までにありとあらゆる音楽の基礎力、音楽理論の常識的な範囲を全て網羅する必要があります。したがって、音大受験の準備は早ければ早いほど良い、という結論になるわけです。
もちろん、これは理想論であって脅かしているわけではありません。ぶっちゃけ入るのは結構簡単なところもあります(無責任なことは言えませんが)。
ということで、音大に行きたいと思っている方、進路相談や今自分が何をすべきかを知りたい、具体的にレッスンにつきたい、という皆様、東京音大講師の荻原がもうひとつ講師をしているプレスト音楽教室にぜひお越しください。
というのも、プレスト音楽教室は音楽大学や音楽高校を目指すための総合的な受験カリキュラムレッスンを実施しており、ひとつの教室内で専攻、副科ピアノ、音楽理論、声楽などが全て受講できる「音大・音高受験コース」があります。こちらはオンラインレッスンもできますので、全国どちらからでもお気軽に体験レッスン+進路相談をお申し込みいただくことができます。
詳しくはプレスト音楽教室のホームページをご覧ください。
荻原明(おぎわらあきら)
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