作品を完成させるプロセスを学びませんか?(第5回トランペットアンサンブル講習会参加者募集)

アンサンブル(室内楽)が吹奏楽やオーケストラと比べて最も異なる点は指揮者がいないこと。

そもそも指揮者は何をしてくれる人なのか、と言いますと、指揮者は「人間メトロノーム」ではありません。もちろんどのくらいのテンポで演奏するかを示してはくれますが、指揮者の棒の動きに拍を1つずつ合わせていくわけではありません。

指揮者は(僕の言い方ですが)「プロデューサー」です。その作品をどのように作るのか、その方向性、完成図を示す人です。もしも指揮者がいない状態で数十名の奏者それぞれが好き勝手に演奏してしまったら、作品の方向性はバラバラになってしまうために必要なわけです。


一方で室内楽というのは、(方向性は統一しつつですが)奏者それぞれの個性を発揮することが魅力のひとつとなります。もしメンバーの一人がすべて仕切って曲を作ってしまったら、それは「超小編成吹奏楽」であり、室内楽の魅力は半減してしまうのです。


方向性や完成図は共有しつつ、自分の個性が発揮できるところは存分に発揮していく、そんな形がアンサンブル(室内楽)の魅力ではないか、と思っています。


言葉で言うのは簡単ですが、これが結構難しい。まず、個性を発揮する演奏ってどうすれば良いのか、どこまで出せば良いか、何を出せば良いか、そもそも出すことを怖がってしまう方もいますよね。


今年1月からスタートした「トランペットアンサンブル講習会」の第5回目は、そんな「個性の出し方」と、これまでの講習会で解説してきた内容も踏まえて「効率よく1曲完成させる」ための解説と実践を行います。


今回の講習会は、「各々が譜読みをしてきてもらった上で、初めてメンバー全員が揃って合わせをする」ところからスタートします。時間は1時間30分。さてどこまで作れるでしょうか。

ただ、今回は完成させることが目的ではなくて「完成するまでのプロセスを学ぶ」ことが目的なのでその点はご理解ください。


開催は

5月21日(土)15:00-16:30(3名募集)

5月22日(日)13:00-14:30(1名募集)


この講習会は小人数で実践的に行うため、定員を4名までとしております。22日はすでに3名の方がご参加されますので、もしこのまま参加者が増えなくても僕が入って4重奏ができるため、曲を決定しました。

Joseph Frestier作曲「Sonatina No.1」という作品ですが、このフォレスティエという人は1800年台の作曲家、で多分コルネット奏者(もしくは他の金管楽器)だったのではないか、と思います。とても古い作品で(アーバンの時代です)基本に忠実に作られていて、さらに3つの異なる場面によって構成されているので作品の変化の表現についても勉強になると思います。

あくまでのこの演奏動画はその「今回使用する楽譜で多重録音した」という範疇で聴いていただきたいのですが、もしかすると「あれ、これ聴いたことあるぞ」と思った方がいらっしゃるかもしれません。

実は以前このブログでも紹介した「Selected Duets for Cornet or Trumpet Vol.1」という二重奏曲集の中にも収録されています。

ということで22日はこの曲で決定ですが、21日は現在参加者1名のため、もう1名参加してくださっても荻原を入れて3重奏になります。できればあとお二人ご参加いただきたいのですが、もし3重奏になった場合は違うクラシック作品を取り上げようと思っています。


作品や編成がどうであれ、奏者同士で作品を完成させるプロセスを学ぶことはできますので、ぜひ今後の参考に、スキルアップにお役立ていただければ幸いです。アンサンブル(室内楽)の基礎を学ぶことは、吹奏楽やオーケストラなどの大きな編成でのアンサンブル力を養うことにもつながります。


詳細、お申し込みはプレスト音楽教室オフィシャルサイト内にて(以下から入れます)。締切は5月15日です。

また、第3回目のトランペットアンサンブル講習会の様子は動画でも公開しております。この時は「美しいハーモーニーを作る」がテーマでした。短くまとめましたのでぜひご覧ください。

皆様のご参加、お待ちしております!



荻原明(おぎわらあきら)

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