ダメ出しって簡単



盛り上がってますねー。


今の政治について話がしたくて書いているわけではないので、そこにはほとんど触れません。

ただ、思うことがあるのでちょっと書こうかと。



こういうデモとか抗議集会って昔はおじさんが多かった気がしますが、最近話題になっているのが若者の参加。


タイコのリズムに合わせてでラップみたいに「ヤメロ」とか「イラネー」とキタナイ言葉をリズミカルに連呼してます。


まあね、表現は自由ですから法に触れなければどうぞやってください。僕はやりません。



なぜやらないのか。それは、この行為はただの


「ダメ出し」


だからです。現状や結果に対して否定するだけのネガティブな行為。



音楽とか表現に関わる人なら理解していただけると思いますが、ダメ出しって良い結果へ導く力を持っていないんです。



例えば、よく話題になるのが、アマチュアオーケストラやアマチュア吹奏楽団で、プロの指揮者や指導者が不在の合奏練習日に、団員(アマチュア)のひとりが代理指揮者になって合わせをすることになり、


「そこもっとちゃんと演奏して!」

「ピッチが悪い!」

「テンポ合ってない!」

「もう一回やってみろ!」

「全然ダメ!」


と、ネガティブな指摘だけを連発するこれが「ダメ出し」です。


指導とかレッスンというのは、指摘ももちろんありますが、当人がなぜそうしたのか、なぜそうなったのか(配慮、相手への理解)、それに対してどのような考え、行為で解決するのか(手段を伝える、方向性の舵取り)、そしてその結果がどうだったか、次にどうするべきか、今後どう心がけることが大切か(フィードバック)、などの「次につながる言葉」が必要で「発展的」であり続けるべきです。


悪いことを悪いと言い放ってしまうだけのダメ出しは、言う側は独裁者的で良い気分になりますが、何の進歩も生まれず、相手へストレスと悲しみ、憎悪を増幅させます。


良い方向へ持っていくためにはそれなりの配慮と勉強が必要なのです。



官邸前に集まってる若い人たちの話に戻します。


ダメなことをダメだというのはとても簡単です。それだけなら誰でもできる。もしかすると、周りがダメだダメだと連呼するから、理解してもいないのに一緒になってダメだダメだと同調しているだけの人も結構いるかもしれません(集団心理)。


「なんかカッコイイから(政治わかんないけど)」

「メディアが話題にするから(それほど熱量が高いわけじゃないけど)」

「流行ってるから」

「友達に誘われたから」


そんな感じであの場所にいる人、かなりいません?とも思うのです。


「いいやそんなことはない!こっちは真剣なんだよ!ムキー!」


という方、もし本気で抗議をしたいのなら、夜な夜なそんなところで声を張り上げるんじゃなくて、その熱量を政治の勉強と政治家になるための努力に変換し、自分が納得いかない与党の力を凌駕できる野党にまずなろう、いずれは自分が日本を良い国にしようという具体的な行動に出ればいいのに、と常々思っています。若いんだから、今からなら充分政治家になれるでしょう。


ダメ出しって簡単なんですよ。言うだけなら誰でもできる。だからこそ、この行為に何の関心も見出せないし、力もない。


古い居酒屋のテレビで野球中継を観ているオッサンが、いちいち選手のやってることに「あー、そんなんじゃ打てねえんだよ、ヘタクソ!」とかクダ巻いてるのと同じですよ。それがダメ出しって言うんです。


もし本気で日本を変えたい!と思うんだったらこんな中途半端なことをするのではなく、もっと具体的なことをして欲しい。今の野党もまさにダメ出しや、揚げ足取りばかりの検察官ごっこをしているだけで政治活動なんてこれっぽっちもしていない。だから今こそチャンスじゃないですか?


自分が政治家になる!自分はもっと日本を良くすることが(具体的に)できる!


今の与党を潰すことが(具体的に)できる!


待ってろよ!選挙に立候補して政治家になってやるから!


これくらいの行動を見せてほしい。


「そういうんじゃないんだよ!わかってねーなー」とか何か言い訳したい熱量のない人は、抗議集会とかやる必要ないし、もっと他のことやったほうがいい。


何度も言うけど、ダメ出しって全然意味ないんだもの。



僕はそう思うので、若い人がラップ調でノリノリにデモやってるのを冷ややかに傍観しております。



ロータリートランペット吹いてる人がいる(笑)

こんなところでトランペット使わないで欲しい。現代社会では、音楽も楽器も人の心を豊かにするために使うべきです。






荻原明(おぎわらあきら)

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