もはやどうやって音を出しているのかもわからないくらい自然で無理なく安定した演奏をされる札幌交響楽団のトランペット奏者、鶴田麻記さん。
なかなか東京で聴ける機会も少ないですので、行ってきました。
若手の素晴らしい演奏家のリサイタルシリーズB→C(ビー・トゥ・シー)は「バッハからコンテンポラリーへ」という副題が付いている様に選曲が独特で、バロックからいわゆる現代音楽までを網羅したプログラムにすることになっています。もう250回目前なんですね。
鶴田さんの本当にすごいところは安定感。トランペットってこんなに無理なく演奏できたっけか?と疑問に思うくらいハイノートからロウノートまでを確実に、しかも大変美しい音色で演奏されていて、特にプログラム最後のベリオ作曲「セクエンツァX(1984)」は短く速いモチーフを鳴らした直後に振り返ってピアノの中に単発でハイノートを鳴らし、また客席側に向き直り演奏し...の繰り返しなのに音ひとつ外すこともなく、圧巻の演奏でした。
僕、三半規管弱いのでこの曲無理です。酔って自爆します。
今の若手奏者の頂点に立つひとりのトランペット奏者の現状を目の当たりにして、大変勉強になりました。見習うところが多すぎで未だ消化不良ですが、本当に行ってよかったコンサートになりました。
これからの活躍も期待です。
荻原明(おぎわらあきら)
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