上下関係を本気で振りかざしてくる人って、大概使えない。
「部活動は上下関係についても学べる機会だ」
という内容が含まれていました。
僕も40代ですから、部活動に限らず社会全体が「根性」とか「規律」そして「上下関係」を重んじる世の中で生きたひとりですが、その世界観を否定的に見ていた僕は常に住み心地の悪さを感じていました。
今の時代はやっと、不要な根性とか理不尽な厳しさ、個人より集団を優先することに対し意義を訴える人が増え、社会が「当たり前」の状態に収まりつつありますが、まだまだだと思います。
それにしても視聴者のメッセージにあった
「上下関係」
これ、本当に必要ですか?
日本は年功序列の社会制度がまだ多く残っています。勤続年数が長くなると自然に位が上がってくるというこれが上下関係がいつまでもはびこっている原因でしょう。
確かに、その世界に長く関わっている人のほうが知識や経験値が高いので、クオリティの高い仕事ができる割合も多いかもしれません。
しかし、年齢で全てを比べることはおかしい。若い人は年配の人より劣るとは言い切れないから。
年上は敬うものだ、という一律な発想も僕はおかしいと思う。
尊敬というのは「させる」ものではなく「される」ものだから。
僕が中学生の頃は絶対権力者=先輩、そんな時代でした。
先輩と廊下ですれ違うと後輩は必ず挨拶をする決まりがありましたが、ほとんどの先輩は後輩に挨拶をしませんでした。挨拶は互いにするものなのだから、もうそれだけでおかしいと思っていましたが、先輩は絶対の権力を持っていたので、部活動でも先輩の特権を生かして練習をしていない人が数人いました(なんでだよ)。その先輩は部活の間なにをしていたかと言うと、
後輩イビリ。
部室にひとりずつ呼び出して、根も葉も無いことを言い、泣かす。
僕はこの様子を見ていて頭の中が疑問符でいっぱいでした。
先輩が偉い?なんで?
数ヶ月長く生きてるとなぜ偉い?
だいたい、偉いって何だ。
ひとつも理由が出てこない。誰か論理的に説明できますか?できないでしょう。
駅員を理不尽に怒鳴りつける爺さんも、
席を譲ったら「そんな年寄りじゃない!バカにするな!」と怒るばあさんも、
地位を振りかざしてくる仕事ができないおじさんも、
「こっちは客だぞ!」と一方的に怒鳴るおばさんも、
そんな人はごく一部ですし、その人の一側面だけですべてを判断できませんが、尊敬するに値しない。年上だからなんだ、と。
例えば身近なところでは、音楽教室の生徒さん。
練習をしっかりしてレッスンに臨まれる方、毎日仕事で忙しく疲れているだろうにその足で夜遅くにレッスンにいらっしゃる方、たくさんいらっしゃいます。みなさん年齢など関係なく、尊敬します。もし自分が趣味でトランペットをやっているだけだったら、そこまでできるだろうか、と考えてしまいます。
やはり、上下関係など必要ありません。
一律な上下関係ではなく、尊敬できるかできないかが大切です。そうすればもっと若い人たちがどんどん社会の中心に入ることができ、世の中が変わっていくのではないかと思います。
世代交代なんて待ってるの、時間の無駄でしょう。
荻原明(おぎわらあきら)
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