昨日のこのブログで、ハイドン作曲 オラトリオ「四季」という作品を演奏した話を書きました。


ハイドンってみなさんどんなイメージ持っていますか?


古典派を代表する作曲家のひとりで、同じ古典派にはモーツアルトやベートーヴェンも含まれています。


モーツアルト、ベートーヴェンなんて名前を聞くと、なんとなーく「ああクラシック音楽だ」、なんとなーく「お行儀良く聴かないといけない」「堅苦しい」イメージを持ってしまう方も多いのではないか、と思うのです。


確かにポップスみたいな聴き方とはかなり違うのですが、決して堅苦しいわけではなくて、スタイルが違うだけなんですよね。映画館とポップス音楽聴くホールやライブハウスだって会場にいるとき違うじゃないですか。そんな感じです。


でもこのハイドンって人、僕が思うに相当面白いおっさんだったんじゃないかと。


あ、おっさんかどうかは時代によるのか。どうしてもこの顔がよく出てくるので。

ハイドンさんはトランペットで最も有名な協奏曲を書きました。

ハイドンの時代のトランペットはまだピストンとかロータリーといったバルブがなかったので、出せる音が限定的だったにも関わらず、この協奏曲は実質不可能な音階や半音階がやたら出てきます。

ではどうやって演奏していたのかと言うと、この動画の不思議な「キイトランペット」のために書いた曲だったのです。


トランペット奏者で楽器製作者のヴァイディンガーという人がこのキイトランペットを作ったのですが、作ったはいいけど、その楽器の性能を知ってもらうにはそれに見合った作品が必要だとハイドンに掛け合って作曲してもらったというわけです。


したがってハイドンのトランペット協奏曲が音階や半音階だらけなのは、


「ほれ!トランペットなのに半音階演奏してんだぞ!すげーだろこの楽器!」


っていうプロモーションの意味が込められているというわけです。


ハイドンって、多分すごい新しいもの好きで、現代に生きていたら真っ先に8Kテレビとかニンテンドースイッチとか、新製品が出るたびにアップルストアに並ぶ人だと思うんですよ

(主観です)。


しかも結構おちゃめな人だと思います(主観)。今回演奏したオラトリオ「四季」も、ところどころにシャレを効かせていて、「夏」のシーンの中に生き物を模したメロディ(うごき)が何度か出てきます。


中でもインパクトが強かったのが、「牛」です。残念ながらトランペットは牛に参加していませんでしたが、ふととなりのトロンボーンパート譜を見たら、

「牛」。


楽譜に「牛」って書き込む機会ってこの後の音楽人生で何度あるんだろう...。



って話題で盛り上がっていたら、なんと前に座っていたクラリネット奏者も

牛って書いていて、そしたら隣のオーボエも

なんだよ、みんなして楽しそうだな。








荻原明(おぎわらあきら)

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