オーケストラではヴァイオリンが延々と弾き続けている中、後方の我々金管楽器、特にトランペットやトロンボーンは作品によって休みばかりのときがあります。
先日いただいたお仕事、ハイドン作曲 オラトリオ「四季」全曲でした。
恥ずかしながらこの作品、存在すら知りませんでしたが、まずは何と言っても
長い。
名前の通り作品が春夏秋冬に分かれていて、全部で44曲(楽譜ではa,bなどで分けているので曲番号は22まで)。ざっくり計算して1季節30分。
曲間とか休憩があるので、2時間30分のステージ。
そしてトランペットが演奏するのはなんと
7曲。
オケの本番で演奏箇所が少ない経験はこれまで何度もしているので別にいいのですが、問題はそれぞれの演奏する作品がいつどのタイミングで来るかを把握しておかなければならないという点。
こうやってシレっと長休符で172とか書くのやめていただきたい。
オラトリオは、レチタティーヴォという拍子感があまりなく、ソリストが語るように歌う場面がとても多いので、次のアリアに流れ込むこともあって、きちんと理解していないと出番の覚悟ができないわけです。
例えばヘンデルの「メサイア」だと僕は何度も演奏させてもらった経験があるので、なんとなく全部覚えているのですが、今回の「四季」はまったく知らないところからスタートしたので、オケ練習が始まる前にきちんと予習しておく必要がありました。
真面目。
誰が歌ってて、それがおよそどのくらい時間があるのか付箋で貼っておいたおかけで落ちることなく安心してリハに臨めました。
やっぱり予習って大事ね。
この作品の終曲が22番なのですが、まさかのトランペットソロから始まる。それまでほとんど出番なかったのに、最後の最後でソロってなんだよハイドンさんってば。
しかもですよ、その前、延々と休みなのです。もう2時間以上経過してじっと何もせず座っているだけのトランペットに、最後にソロってさ、「メサイア」みたいじゃないか。
楽譜としてはそんなに難しいものではないし、たった4小節ですが悪条件が重なりえらく緊張しました。
この続きはまた明日。
荻原明(おぎわらあきら)
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