なんだか不思議な記事。
一般企業の就職率と、音大卒業生がオーケストラに入団できる率を比較してどうするというのでしょうか。
オーディションで決めるものは大学生の就職とは違います。どちらかと言えば演劇の配役決めとかアイドルのオーディションのようなものです。
それと、音大生ってオケに入ることが最終目標みたいに書いてあるのもどうかと。
確かに専門的な大学ではありますけど、体育大の卒業生が全員オリンピック出るわけでもないし、目指しているわけでもない。一般の大学だって、法学部に入ったら全員弁護士になるわけでもない。音大も同じで、音楽の要素が含まれる仕事は他にもたくさんあるし、音大出て一般企業に入る人だってたくさんいる。それが目標になっていたってまったく問題ないわけです。
たしかに、音大出ても演奏活動したい、でもなかなかその機会に恵まれない。フリーランスとして自主公演をしても一時的なものであって、十分な生活費を稼ぐ術にはならないような状態の人がとても多いのは多いのですが、それも本人の意思によるもの。
じゃあフリーランスは稼げないとか、演奏の実力だけが音楽でお金を稼ぐ方法だとか、それがダメなら一般企業に就職するしか道がないとか、そんな狭い選択肢しかない世の中ではもうなくなっているわけで、もうちょっとフレキシブルな見地を身につけたほうがいいと思います。
荻原明(おぎわらあきら)
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