結局は親の声。

こんな調査結果を見ました。

1990年、1996年、2006年、2015年に同じ質問を小学生から高校生に聞いた結果だそうです。


こういった話題に関しては特に子どもの意見ではなく、親の意見を子どもが口伝えしているにすぎないと思います。「とてもそう思う」と回答している子どもが高校生に比べて小学生に多いのも、それだけ親から受け取る情報が濃いからでしょう。大人になってくるにつれて、様々な情報を自分の力や環境から手に入れるので、(でも親がずっと言い続けていることは耳に入っているので)少し意見が薄れて「まあそう思う」になってるのだと思います。


結局はこれ、親の声でしょ。


2015年になって「いい大学を卒業すると将来幸せになれる」がドカンと増えているのは、今の子どもを持つ親が40〜50代で、「団塊ジュニア」「就職氷河期」世代だからだと思われます。僕もその中の末期あたりにいましたが、それでも現役で第一志望の大学に入れる人がとても少なく、泣く泣くランクを落とした人がたくさんいました。しかも、それでも浪人生はたくさんいたので、予備校がウハウハしてましたね。音大受験の僕にはあまり関係のない話でしたけど。


そして就職活動を始めてもまた、就職難が待ち受けていました。バブルがはじけて会社が新卒採用の受け入れを狭くしてしまったからです。リストラもものすごくて、会社が縮小する傾向にあり、それが今になって問題になってますよね。働き盛りの40代が会社にいないって。


20,30代と60代で会社が成り立っているので、その間に入る人がおらず、若い人が会社の経営の仕方が理解できずにどんどんやめていくのも自然な結果だと思います。おじいちゃんが言ってること(やってきたこと)、直接理解するの難しですよね。お兄さんお姉さん、お父さんお母さんがいれば、おじいちゃんが言ってることや想いをわかりやすく伝えてくれたり、若い人の考えや想いを伝えてくれるのでバランスが取れるのですが、それがいない。


だから若い人は若い人のやり方で会社を作り始めた。これも自然な結果だと思います。


ということですからこのアンケート結果は、我々団塊ジュニア世代のバブルの恩恵を受けられず(まだ幼かったから)、そのあとのひどい状況下が学生時代だった苦労やら恨みやら反省やらを子どもに言いまくっている結果なのでしょう。


お父さんは志望校に入れなかった。だから就職も大変だった。こんな苦労してはいけない、良い大学に入って、良い会社に入るのだー!



...。



僕は全然そう思わないけど、まあそんな意見もあるってことで。


ただひとつだけ言いたいのは、良い大学に「入って」、良い会社に「入って」ってことばかりクローズアップするれど、そのための過程や努力についてどれくらい言及しているのかが気になります。

勉強しなさい、なんて定型文じゃなくて、どんな勉強をどんなふうにするのか、どんな考え方を持って、どんな結果に導いていくのか。そういった過程が結果につながっていくのだ、と説明できているのかがとても心配です。


大学に入って、その中で何をどんなふうにどれくらいするのかがまったくないまま単位が取れなければ卒業できない(=就職できない)という結果ばかりを見ていることが問題なのですが親は多分そこにはあまり言及しないのだと思います。

どの大学に入ったって、その中で努力し、成長していけばその先は開けると思うのです。履歴書の大学名だけで就職採用なんてホントにしてるんですかね?これからは特にそれは関係なくなっていくと思いますよ。というか、もしそんな採用の仕方をしている会社があったら、これからの時代は生き残れないと思います。古すぎ。


これからはどんどん「自分の強み」をアピールする時代です。自分ができること、超専門的な分野に長けたプロフェッショナルとか、多方面で発揮できる優秀なスキルを持った人など、その人が「この分野なら任せて!」と言える、そんな人が活躍する時代です。




「勉強の点数が良いです!」→「ではあなたは何ができるの?」→この先が重要だと思います。


荻原明(おぎわらあきら)

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