タピオカ流行ってますね。こういうものは何年かおきに流行りますが、昭和の頃のブームってまるでウイスルにでも侵されのか、と思うほど国民単位で便乗している感じでしたが、最近あまり見なくなったな、という印象でした。
音楽教室に向かう際によく通るお茶の水女子大前に先日オープンしたタピオカ屋さんなんて、1kmくらい並んでるのを見ましたよ。
あと何日これが続くのかな、と思いますが、まあ楽しければ良いですよね。僕はブームにまったく興味がないのですけれど。
そんな時にツイッターやネットで見たこの記事。
女性のお客さんから、タピオカ屋さんにおじさんが働いていて印象が悪かったというツイートが。
しかしこのおじさん、タピオカ屋さんの社長さんだったようです。
社長さん自身も、自分がお店に出るべきではなかったと謝罪していますが、正直最初にこの記事を読んだ時は若干ムッとしました。誰が働いていたっていいじゃないか!と。でもその後冷静になっていろいろ考えてみたんです。
小さい頃って経験も行動範囲も狭いので、何に関しても固定された強いイメージを持ちがちです。「こういうものアリだよね」といった代替できるほどの経験がないからです。
だから、例えば「美味しいもの」と言えばカレー、スパゲティなど。
これが少しずつ大人になって、経験も行動範囲も広くなってくると、行く末は「美味しいもの?エイヒレかな」「たこわさ、いいよね」とか言い出すわけです。
学生の頃もやはり強い境界線の中に非常に具体的なイメージや理想像を持っている場合が多く、例えば「好きな異性のタイプ」と聞けば、出てくる出てくる細部にわたる具体的でいくつもの外せない重要ポイント。
これが年齢を重ねてくると、「これもいいけど、あれも魅力的だよね」という「良い」と思うカテゴリーが広くなっていきます。決して妥協ではなく、良いものをたくさん知ることのできる経験や時間、行動範囲によるものだと思います。
話を戻すと、この話題になったタピオカ屋さんは、上記のリンクを見てもらえるとわかりますが、店内も相当なかわいらしさです。
徹底的で具体的なコンセプトの上に経営しているのがわかります。
そうなるとお客さんも、このタピオカ屋さんはこんなお店、という強いイメージが定着し、もはやタピオカの味がどうこうという範囲ではなく「かわいいお店」として話題になってくるわけです。それらすべてがこのお店のブランドを成立させているわけです。
だからお客さんもそれを含めた全てに対して期待している。
そこにですよ、おじさんがいてごらんなさい。
ディズニー映画を見ていて波平が出てきたようなものです。
ドナルドダックに「ばっかもーん」とか言ってごらんなさい。
がっかりだよ。
いや、波平さんが悪いのではなくて、住む場所が違うのです。
ブランドとかコンセプトというのはこのように徹底したカテゴライズが重要なので、いろいろ考えてはみたのですが、このツイートした女性は正しいと僕は思います。
別にこの女性のことを知ってるわけではありませんが、台湾に行って屋台でタピオカを購入した際、その店員がおじさんでも何も言わなかったと思います。
波平さんの存在も否定はしないでしょう(好き嫌いとかではなく)。
そして、このタピオカ屋さんでサポートしていた社長さんに対して「職業選択の自由」が云々とも思っていないはずです。
荻原明(おぎわらあきら)
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