自己肯定感

(出典:https://biz-shinri.com/what-is-self-esteem-7635)


自己肯定感。最近良く耳にする言葉です。


自己肯定は悪いことではありませんが、受け捉え方を勘違いして「自信を持つこと」と混同している人が多いような気がしてなりません。そうなると話が変わってくる。


よく、「本番で緊張しないためには」という質問を受けますが、緊張そのものは人間の持っている集中力を高める本能ですから悪いことどころかむしろ必要だと思うのです。

でも頭の中がパニックになるくらい緊張すると大変なので、自制心がある緊張をし続けたいところで、そのためには「裏付け」が必要と考えます。「自信を持てる要素」と言ったほうがいいかもしれません。


「これだけ練習したのだから大丈夫」「こうやって体を使えばきちんと音が出せる」「正しく理論的に覚えている」「練習したものをきちんと具現化できる経験を繰り返してきた」といった理論を土台にした感覚的な方法がきちんとした形で身についていると、それが緊張を良い方向へ導いてくれると考えています。


だから本番に向けて不安なところを無くすことこそが緊張でパニックにならない方法だ、と話します。



根拠もなく自信を持っている人を見るとどうしても危うさを感じてしまいます。大人の場合は虚勢を張っているだけの場合が多いのでどうでもいいのですが、それが子どもだと、これから先にきっとその自信が大きく崩れる何かを必ず経験するはずで、その時のダメージをケアできる人がそばにいないと危険な時もあるのではないか、と心配になります。


親の教育なのでしょうが、正しく自己肯定感を持った人間でいるためには、むやみに「あなたはすごい」「天才」と言うのではなく、具体的な事柄を挙げた上で褒める、そしてまだできないこと、これからの目標、結果につながるためには何をどうすべきか考える力とそのサポート、場合によっては良くないこともバランス良く伝えていくことが大切だと思います。



荻原明(おぎわらあきら)

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