ポータサウンドというキーボード

機能、ふとしたきっかけでビリージョエルを求めてネット上を右往左往した話を書きました。

その中で出てきた小学生の頃に買ってもらったキーボード。今回の一件があるまで存在をすっかり忘れていました。


(出典:http://airvariable.asablo.jp/blog/2012/06/13/6479031)


ヤマハのポータサウンド PSS-170という機種で44鍵盤。普通のピアノの半分の音域。鍵盤のサイズも半分くらいで小脇に抱えて移動できるくらいコンパクトです。

楽器というよりは、おもちゃです。しかし今思えばこれ、音楽の道に進む原点のひとつだったと感じています。


まずこれ、なんで買ってもらったかと言うと、小学生の時に生まれて初めて自分のお金で買ったN響版ドラクエ3のCD、そのブックレットにゲーム中に流れる楽譜が全部掲載されていて、自分でそれを弾いてみたかったからです。

僕はピアノも習ったことがなければ楽譜もほとんど読めなかったのですが、ファミコンで散々耳にしてきた曲を再現するため、頑張って楽譜を理解しようとしていました。単旋律ならいけた感じ。


で、本題のキーボードですが、まず音色が100ありまして、実際にないいわゆるシンセ的サウンド以外に実際に存在する楽器、例えば管弦楽器、鍵盤打楽器などもあるので、それぞれの楽器がどんな場面でどんな使い方をしたらかっこいいか、いろいろ追求していました。

手軽にいろいろな音を聴くことができ、その流れで「本物の楽器はもっと良い音がするんだろうな」と憧れを抱くきっかけを持つようにもなりました。


リズムパターンもたくさんあって、ボタンを押せば8ビートと16ビート、サンバ、ボサノバ、スウィングと、どんどん変化する。リズムパターンが変わるだけでこんなに音楽に与える変化が大きいのか、と驚きました。

しかも「フィルイン」ボタンもあったので、フレーズの間でリズムを少し変えるとカッコイイというものこれで知りました。


さらに、これが大変影響を受けたのですが、「シングルフィンガー」という機能がありまして、例えば「C」の音を押すだけでCメジャー(ドミソ)の和音が鳴るのです。マイナーコードを鳴らしたければCとEフラットを同時に押す。なぜその2音でマイナーコードを鳴らすのか、最初は理解しないままに、単なる操作として使っていたのですが、その理屈もわかりました。

しかもこの機能と先ほどのリズム機能を同時に使うと、スタイルに合わせた伴奏を自動でつけてくれるのです。リズムとハーモニーの関係性を体感するきっかけになりました。


短旋律ならある程度弾けるようになったので、コードネームが書いてある楽譜があれば、なんと曲が完成してしまうわけです。


こんな小さいおもちゃではありましたが、面白くてずっと遊んでいたのを思い出しました。

このキーボードから得た影響で編曲への興味や様々な音楽ジャンルへの興味が沸いたのだと思います。

人間何がきっかけになるかわかりませんね。




荻原明(おぎわらあきら)



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