ムスメの通ってる塾の教師が、休憩時間に換気をしようと窓を開けたムスメを「クーラーをつけているのに窓を開けた」と言って叩いたらしいので、今から塾をやめさせてくる。
— はなこっぴ🎏 (@hanacoppy) June 28, 2020
Twitterのタイムラインで偶然発見したこのツイート。
Twitterにはこの手の書き込みはよくあるし、匿名だから言いたいことが言えるこんな世の中になってよかったね、という感じですが、驚いたのはこのツイートの返信。
ほぼ全員、この人の肩を持つというか、同調しているのか共感しているのか、みんなこの人の味方で、
「許せない」
「辞めさせるのは塾講師、の方ですよね?だって傷害事案だもの」
「辞めさせるのは大賛成ですが先生の責任を追及したいところです」
塾講師100%悪いコメントばかり出てくる出てくる。
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ここでちょっと見ていただきたいものがあります。
こんなツイートがあなたの目に入ってきました。
直感でどうですか?ツイッターでは特に、多くの人がツイートと写真を無意識に関連付けて「この人は悪い人だ」と思い込んでしまうのです。
しかしこれならどうでしょう。
突然のほのぼの感。反応は全然違うものになるはずです。
(もしかするとこのどちらも事実ではなく、印象操作をするためのフェイクかもしれません。)
こうしたツイートでは真偽の程はわからないのです。
塾講師の話に戻します。
「双方の言い分を聞かないと判断できないのでは?」という書き込みをする冷静な人がもう少ししても良いと思ったのですが、僕が見る限りほんの1,2名でした。
片方の言っていることだけであれこれ言うのはおかしいし、いきなり塾講師を批判するってどういう思考を持っているのでしょうか。まずはこの件が本当にあったのかを調べる必要があります。この時の周辺の状況を理解、ツイートした人の娘さんと塾講師がどのような経緯で、どのような言動においてやりとりが進んだのか。そして「叩いた」というのが本当に事実だったのか、事実だとしたらどのような叩き方だったのか。
そこまで事実確認が行われ、双方の言い分を聞くまではどちらに非があるかなんて判断できるはずがありません。しかしそれはただのTwitter閲覧者には難しいこと。要するに最初からこうしたツイートに参加することも意味がなく、ただただ怒りの思考のお裾分けで自分の精神に負担をかけてしまうだけなのです。
そもそもこういった話は双方の言い分を聞くとお互いが「良かれと思った行為」に基づいているので、大概どちらも悪くない結果になります。
行動や事象のほとんどはそれぞれに理由があります。しかし行動する際、いちいち言語化などしないし、ましてや周りの人に説明するなどあり得ないので、周囲の人間には「なぜそうしたのか」視覚的にはわからないことがほとんどです。でもそこは「なんか理由があるんだろうな」とか「多分こういうことかな」と「察する」力でバランスを保っているわけですが、中にはそれができずに瞬間的な判断や身勝手で一方的な正義感や倫理観で感情を爆発させてしまう思慮の浅い人間がいて、
例えば電車の優先席に妊娠している方が座っていたら「若い人が優先席に座ってるんじゃない!お年寄りに譲れ!」と怒鳴りつけるおじさんとか、いますよねこのタイプ。ちなみに優先席はお年寄り専用シートではありませんよ。
何か納得のいかないことがあれば、まずは事実の検証をする。そして言い分を聞く。そこからやっとスタートです。
これができない人が本当に多いな、とツイッターを見て改めて感じました。
ちなみに、このような記事があったので拝見しました。
近年はインターネットの普及により、一般の人が気軽にかつ匿名で情報を発信することが可能になった。そのため、自分の身の安全を確保しながら一方的に特定の個人や企業や団体の責任を追及することも少なくない。匿名になると、他者や世間からの評価も気にする必要はなく、さらに個人としての自己意識も低下して、反社会的、攻撃的、非理性的行動をすることが考えられる。この状態を心理学的には「没個性化」と呼ぶ。
この状態では、行動に対する責任も個人が背負う必要はなくなり、責任が分散して、良心の呵責を憶えることも少なくなる。ソーシャルメディアのユーザーは、その匿名性の高さや集団としてのまとまった言動から、一種の群集とみなすことができよう。現代はその意味でますます「群集の時代」になったとも言える。その現れの一つが、ソーシャルメディアのユーザーによるスケープゴート(生贄の羊)の探索と非難攻撃であろう。
『人はなぜスケープゴートを作り出すのか?』釘原直樹 / 社会心理学 より
最近自分自身にも同じような理不尽なことが多くて、冷静にいろいろ考えて、自分の頭の中をまとめたいので、また続きを書こうと思います。
すいません、面白い話じゃなくて。
荻原明(おぎわらあきら)
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