『不安』がすべての元になる

昨日掲載したブログで、一方的な考えのツイートに検証もせず乗っかってしまう人たちが多い、という話を書きました。


お互いの言い分も聞かずに一方的にあいつが悪いとかよく言い放てるな、と関心してしまいますが、これツイッターに限らずどんな場所でも起きていますよね。子どもの世界もそうだし、いい歳こいたの大人の世界でもとても多い。


調べてみると、このような行動はすべて「不安」から起きているそうです。なるほど確かに。


自分よりも力が弱く反撃をしてこない立場が下であると勝手な判断で決めた対象を攻撃し、「自分にはまだ下がいる」と不安を解消する。いじめの軸になっている部分です。

まさに今、コロナ騒動で仕事が減り、収入が減り、立ち行かない不安を自分にとって好都合な対象(スケープゴート)を定めて理不尽に攻撃する、こんな事例がたくさんあるように感じます。

簡単に言えば八つ当たり。


参考にさせていただいたのは、昨日の記事でも紹介したこの記事です。引用させていただきます。

人々にとってスケープゴートがなぜ必要なのか
人生(他者、仕事などを含む)がままならないことからくる欲求不満である。人は人生を思い通りにコントロールしたいという基本的欲求を持っていると考えられる。しかし人生は多くの災難や不幸に見舞われ、予見不可能である。この脅威を小さくし、コントロール感を維持するために、人は不幸の様々な原因を少数に絞ったり、真の原因とは別の対象を見出すことが考えられる。その対象となるのが特定の個人であり集団である。
スケープゴートの対象となりやすいのは先述した道徳観やコントロール感の回復に役立つ人や集団であることが考えられる。投影が容易で、不安や自尊心を回復しやすい対象が選ばれるであろう。

攻撃しても安全な対象である。(中略)

ただし、完全な弱者はコントロール感の回復にはあまり役立たない。コントロール感の回復には相手が強い方が効果的である。ただし、強い報復があれば困るので、報復を回避しながらスケープゴーティングを行う必要がある。その意味では、もっとも良いターゲットは、過去において強者であった者や反撃が封じられている強者である。

対象を攻撃することは自尊心の向上に効果的なのである。すなわち今まで攻撃が許されなかった強者に立ち向かうことにより、弱者や正義の味方をしたという自己満足と過去のねたみや恨みを晴らしたという充足感を味わうことができるのである。

『人はなぜスケープゴートを作り出すのか?』(釘原直樹 / 社会心理学)より拝借



手応えがあるが反論してこない(できない)人に無差別的な内容で怒りの矛先を向け、面倒な展開になりそうな人には直接的に攻撃しない(でも間接的には影響を与えられるようにする)。うーん納得。


そういう方はまず自身の心を落ち着けて冷静に周囲の状況を理解して欲しいと思います。

目で見た瞬間的なことや、その時偶然起きたことなどで不満を感じたら、「なぜ」を相手に尋ねるべきです。相手側にもそれを行った理由があります。それを確認しないまま、自分の中にある正義感や倫理観だけでいきなり怒り出してしまうのはあまりにも稚拙。


また、不安なことがあったら、それを誰かにぶつけるのではなく、自分自身のプラス材料にシフトするほうが余程健康的だと思います。

自分を高く評価するつもりはありませんが、今回のコロナ騒動で僕自身も一時的に仕事が全然ない時期が発生しました。もちろんその間の収入はありません。当然不安でしたが、でもそこで部屋の片隅で膝を抱えて自分の置かれた立場を憂い、世の中に対して呪いの言葉を唱えていても無駄に心を蝕むだけだから、「こんなに時間があるんだったら今までできなかったことたくさんできんじゃね?!」と考えたらものすごく忙しくなって大変でした。


オンラインレッスンの整備を音楽教室に協力してもらって、その結果オンラインレッスンもたくさんできたし、講習会を企画実施することもできて、忙しくバタバタしていたら生徒さんが少しずつ戻ってきてくださって、今はもうほとんど通常に戻ってきています。練習もしていたし、休みなんてありませんでした。


結局のことろ、どれだけ冷静に頭を使って理性的に行動するか、これに限るというわけです。


自分の不安を払拭するために怒りの矛先を向けても反撃してこない好都合な相手に対してこれまで不満に感じていたことや納得いかないことをタネに攻撃するのだったら、そのバイタリティも時間も自分自身の向上のために使えばいいのに、と残念に思います。




荻原明(おぎわらあきら)

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