手元にあるミュート全部並べてみる。
で、先日買ったカップミュート。
ミュートというのは、トランペットのベル部分に装着する器具です。
ミュートというのは様々な目的がありますが、中でも「音色を変える」ために装着することが一番多いです。
そして形状を変えれば出せる音色も変わるので、ミュートには様々な種類があります。
これがストレートミュート。クラシックでは一番使用頻度が高いです。
これがハーマンミュート。真ん中にあるロウトみたいなの(ステム)をつけている状態ではワウワウミュートと言い、コミカルなシーンなどでよく使われます。ステムを抜くとこもった金属音が出ます。ジャズで多用されて、マイルス・デイビスがよく使ってました。
他にもバケットミュートとかプランジャーミュート、なんてものもありますし、同じ名前のミュートであっても素材によっても響きが変わるので、それだけいろんな数があります。
バケットミュート(出典:http://www.duralmusic.com.au/resized/product_detail-314-width-humes--berg-bucket-mute-trumper.jpg)
プランジャーミュート(出典:https://www.alangregory.co.uk/music/P&H_Plunger_Mute.jpg)
ミュートとはそもそもmute=弱音器という意味ですから、音量を抑えるために使う「プラクティス(練習)ミュート」というものもあります。ただこれは、本当に出口を塞いでしまうので、演奏するためのものではありませんし(現代曲ではわざとこれを使う指示の作品もあります)、そもそも練習時にも使うことは個人的に推奨しません。
出口を塞げば空気圧コントロールがまったく変わるのは当然で、空気圧コントロールを感覚的に習得することがトランペットの練習なのですから、プラクティスミュートとは完全に矛盾した存在だというのが持論です。だから僕は絶対使いません。
我々クラシックの人間は単に「mute」とだけ楽譜に書いてある場合は、慣習としてストレートミュートを使用します。このストレートミュートは、金属的で細く立ち上がりの強い独特な音が出る特徴があるのですが、muteという言葉の影響なのか、弦楽器のミュートの影響なのか、音量を小さくして欲しくて楽譜にミュート指示をする人が稀にいらっしゃいます。
コンサートのアンコールピースなどを簡易的に編曲したその場限りの楽譜などに多い気がしますが...。
楽譜に書いてあるのだから我々はそれに従うまでです。ビービー鳴らしたら案の定楽譜を書いた方に「トランペットなんかすごいうるさいね」と言われたこともあります。
なんだとぅ〜!
知識と勉強って大事。僕も気をつけます。
ちなみに、ストレートミュートの音を堪能したい方は、マーラーの交響曲を聴くことをおすすめします。
荻原明(おぎわらあきら)
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