働き方っていろいろあります。
時給制、歩合制、日給、月給、年棒。
それにしてもプロ野球だけなんであんな高額なんですかね。あのスポーツ、桁が違いすぎて意味がわからない。
我々音楽家は、オーケストラに所属されている場合はお給料+手当のようなものが一般的だと思いますが、フリーランスの場合それは契約を交わす相手によって変わります。
例えば寄せ集めオーケストラだと「練習◯回、本番1回で◯◯円」といった条件を提示されます。もちろんスケジュールの問題もありますが、金額や条件を飲めるかも判断基準のひとつです。
あとは、1ステージ、1演奏につき◯◯円といった歩合が多いと思います。
他にもいろいろありますが、ポイントは「いつお金が発生しているのか」をきちんと理解しておくことです。
というのも、僕は1演奏につきいくら支給という歩合の仕事が多いのですが、それって演奏するところに金銭的価値があるわけです。
ですから、例えば1日に2回演奏をすることになっていて、間の時間が長く空いたとするならば、それは「空き時間」であって拘束される権利を持っていないのです。
だからどこに出かけても、、寝ていてもマンガ読んでもスマホいじってもパソコンで仕事しても何をしても(常識の範囲でなら)問題ありません。クライアントはそこに介入することはできません。
ということは、「拘束」に値するような決まり、例えばその場所から動いてはならない、とか会話を禁止するとか、他の仕事をしてはならないとか、おやつは300円までとか、そうしたことを指示する権利はありません。もちろん常識の範囲で、それがどんな仕事かにもよりますが。宇宙船にいる人に自由時間だからとTシャツで外に出ではいけませんからね。常識の範囲。
もしそうした度の超えた約束や決まり、要するに「拘束」になるのであれば、そこに手当や賃金が発生するべきだと思います。
ただし、これが日給だった場合は違います。一日拘束されているので、いつどんなことを頼まれても基本は請ける必要があります(契約内容による)。
これを勘違いしているクライアントって結構多いですし、勘違いしている我々の立場の人も多い。
「そこにいるんだったら手伝ってよ」「今何もしていないんだったらちょっと1曲演奏してよ」
きっと軽い気持ちで言ってるのだと思いますが、僕は一切したくありません。というのも、こちらはそれ、ボランティア、善意で手伝ってあげていることなのに、クライアントは往往にしてそれを理解しない。そしてクセになっていつでも何度でもやってくれるものだと勘違いする。そしてそれがどんどん「拘束」に変化していく。
休憩時間の決まりがどんどん増えていくのはおかしな話。
もちろんこれらは交わした契約によって変わります。
ともかく、我々は趣味でやってるわけでも善意でやってるわけでもありません。
お金のために働いているのです。だからお金が発生するところにに関してはそれ相応のクオリティを提供できるように手を抜かず精一杯のことをしています。それで売買が成立しています。
そうしたことが守られる良い環境で働いていれば、お互いが気持ちよく過ごせて、自らもっと良くしよう、良い関係を築こうとなり、例えばちょっとしたボランティアであれば頼まれなくても自らすすんで行うなど、より発展的な空間になるのだと思います。
ぼくはそうなることが最善だと思っているけど、多くの場所は先に決まりをたくさん作ってしまうので好きになれないことが多いのです。
荻原明(おぎわらあきら)
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