教則本の使い方

教則本を使ったレッスンをしているときに生徒さんに質問してみました。「この曲で必要とされるスキルは何ですか?」

生徒さん、悩まれておりました。


教則本は当然「何かを身につけて欲しい」目的があって書かれています。

例えばアーバン金管教本はカテゴリーが明確に分かれているためにそれぞれの目的が非常にわかりやすいのですが、そうでない教則本も多いです。そのため、今から演奏するその作品はどのようなスキルを求められているのかを理解した上で始めないと意味がないわけです。


「電車に乗る」と言っても、行き先が違っていれば目的は達成されません。西武池袋線に乗っても大手町には着かないのです。



「教則本、最後のページまでたどり着いた!」と喜んでいる人を見かけたことがあります。もちろん、それは凄いことです。しかし、計算ドリルのようにとにかくどんどん進めていくことで得られるものは音楽の練習においては非常に限られていて、本来の目的は最後にたどり着くことよりも、スキルを手に入れること、もしくはクオリティを高めること。そしてそれらを様々な作品に反映できることなのです。



したがって大切なのはその教則本で自分が何をしようとするのか、ということ。

これを明確にしなければ、教本を使った時間は正直言って無駄です。


トランペットの練習時間を、より意味のあるものにしましょう。



荻原明(おぎわらあきら)

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