東京音大吹奏楽アカデミーの授業「楽器別指導法」。今回は2週に渡ってトロンボーンについて学びました。
講師の渡邉善行先生は東京吹奏楽団、東京ニューシティ管弦楽団のトロンボーン奏者で、実力は当然のことながら非常に穏やかで優しい雰囲気を持っていらっしゃいます。
今回の授業のために作成された資料のかわいさからもそれがわかります。お子さんがモデルだそうです(笑)
さて、そんな渡邉先生の授業、第1週目は楽器の組み立てとメンテナンスについてです。僕は今まで知っているようで知らなかったことが、すでに最初の時点でたくさんありました。トロンボーンは他の金管楽器に比べてカーブしているところが少なく、抵抗感や音の響きを生み出すための様々な部分での工夫があるようで、ひとつひとつのパーツの大切さを僕自身も学ぶことができました。
トロンボーンの組み立てって、知っているようで意外に知らないんですよね。吹奏楽アカデミーの1年生はほとんどが木管楽器なので余計わからないようで、組み立てる際にスライドとベルの位置が逆になるという初心者あるあるをみんな連発していました。気持ちはとてもよくわかります。
そして音出し。トロンボーンのマウスピースは、そのサイズ感から音は比較的出しやすいのですが、以前僕が担当したトランペットの回でもそうですがアカデミーの学生はみんなとても起用で何でもすぐ音を出せてしまうので、やはり今回もレベルは高かったです。
しかしそれ以上に渡邉先生の無駄のまったくない非常に効率的で的確なアドバイスが素晴らしかった。僕はトランペットの音の出し方を伝える時に多すぎる情報で困惑させてしまうことも多いので、勉強になりました。
トロンボーンという楽器を紹介するにあたって、アルトトロンボーンやバストロンボーンだけでなく、珍しいピストンのトロンボーンも持ってきてくださいました。間近で見るのは僕も初めてです。
第2週目はさらに具体的な実践です。
渡邉先生の指導力が本領を発揮しまして、学生1人ずつに音を出してもらった際、当然完璧には音が出せません。この状況を部活動の指導先で出会った中高生だと仮定し、現在どのような状態になっているから、このようにアドバイスをすれば改善される、という状況と改善方法をわかりやすい理論と的確な言葉によって瞬時に全員が1段階レベルアップする様子は見ていて気持ち良さすら感じました。
これはレッスン無双。
そしてなんと曲を演奏するところまで来ました。
みんなで「聖者の行進」を演奏したわけですが、かなり曲になっていたと思います。金管楽器は音域変化のテクニックを理解するのがとても難しいのですが、事前に教えてもらっていた音域変化のシラブルに関してと、知っている簡単な曲を演奏することが組み合わさり、自然とメロディを演奏できていました。
最後の部分にトロンボーン特有の奏法、グリッサンドも織り込んであり、みんな一度やってみたかった演奏に盛り上がったいました。
楽器別指導法はそれぞれの楽器について深く学ぶことができ、僕自身とても勉強になりますし、吹奏楽アカデミーならではの意義ある授業だと強く感じます。
渡邉先生、ありがとうござました!
(おまけ)
バストロンボーンで超ハイノートを出すテューバの木村先生。
僕もトロンボーン、吹きたかったなあ。
荻原明(おぎわらあきら)
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