認め合う

様々な方と音楽をしていると、本当にひとそれぞれの考え方やイメージから生まれてくる音楽に出会うことができます。


これはプロだけでなく、音大生も部活動も、愛好家も誰でもそうです。


僕は中高生の頃、「井の中の蛙」モードでして、プライドばかり高い調子に乗っていた子どもでした。だからコンクールや演奏会で他校の吹奏楽部の演奏を聴くと、エラソーに「あの表現はないわー」「音色がねー」なんて思ったりもしていて、今思い出してもみっともないし申し訳ない。自分の実力がなかったから守りに入っていたのでしょうね。虚勢を張らないと自分の存在が世の中から消えてしまうような気がしていましたから。


それにしてもなんと失礼なことをしていたのだろうか。


だって、どんな演奏だって一生懸命やってるじゃないですか。その結果がどうあれ、舞台に上がってお客さんへ向けて演奏をしている。もうこの姿勢だけで素晴らしいことです。


それに加え、共演している奏者の音楽的イメージや方向性を理解し、認め、自分の演奏にもプライドを持って共存する姿勢を常に持つことが重要です。


共演者は、一緒にお客さんに満足していただくパートナーですから、そこで認め合えなければお客さんに対しても、作品に対しても、全てにおいて失礼です。


その時その時でいろいろ思うことがあるかもしれませんが、まずは認める。結果がどうであれまず受け入れる。音楽をする人はもちろんのこと、どのような場面においても人間同士なのだから、そうでなければならないと思いますし、そうでありたいと思います。




荻原明(おぎわらあきら)

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