「息」という言葉の危険性

「息」。

管楽器のレッスンでは多用される言葉のひとつです。


僕はレッスンで質問やディスカッション、フィードバックなど、お互い言葉で確認したり考えることも多いので、なおのこと「息」というワードが登場しやすいです。


しかし、僕自身は「息」を使いません。なぜか。

みなさんは「息」と言うと何をイメージしますか?レッスンでも同じように確認しますが、「息」は大変便利な言葉である一方、解釈が漠然としすぎて誤解を招きやすい言葉でもあるのです。


参考までに辞書で「息」をひいてみると、たくさん出てきましたが、その中で今回の話題と関係しているのは、


1.口や鼻から吐く呼気や吸う吸気
2.呼吸運動
(スーパー大辞林より)


と出てきました。漠然としているでしょう?


「息」は文学的表現なのです。



したがって、僕はレッスンの時には「息」ではなく「空気」を使います。


体内に取り込まれている空気

体内の空気の圧力

肺には常に空気が存在している

アパチュアから流れ出た空気のスピード


こう使うとイメージする焦点が絞られて意思疎通がしやすくなります。

管楽器の奏法について考えるとき、ぜひみなさんも「息」ではなく「空気」を使ってみてください。漠然としていた自分の発想に気付けると思います。


そんな荻原明のレッスンが年末に単発で受講できます。よろしければぜひご参加ください。



荻原明(おぎわらあきら)


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