ヤマハの「飛沫可視化実験」、拝見しました。これまでにもトヤマ楽器(リコーダーメーカー)が同じように飛沫可視化動画を掲載されています。
トランペットに関して簡単にまとめると、飛沫が発生するのはマウスピースだけで音を出した時と、いわゆるツバ抜きの時で、楽器演奏の際にはありませんでした。
先日トランペットオンライン講習会の第0回の時にも簡単にお話したのですが、楽器は「吹く」ものではなく「空気を溜める」ことで音を発生させているので、そもそも飛沫が発生することは演奏中には起こらないわけです(多少の空気の流れは当然あります)。
僕はこの実験、とても良かったと感じるのは、「マウスピースでブーブー音を出す」「強い空気圧で管内の水分を出す」この2つの行為を飛沫の問題だけでなく正しく演奏するためにも不要なので、この機会にやめるべきだと思います。
トランペットは空気圧コントロールで演奏しますので、マウスピースのような短い管で唇を振動させられたとしても、楽器を装着した時点でそのバランスは大きく変化します。ですから、マウスピースで音を出す、ましてや音階やメロディを演奏したり、正しいB音をロングトーンしたところでそれは楽器と何の関係もないのです。
また、楽器演奏に必要な空気圧は、自分で認識できないレベルのもので十分ですから、いわゆるツバ抜きで思いっきり「フーーーー!!!!」と吹き込むあの行為、体やイメージが勘違いしてしまうので特に小中学生の始めたばかりの方は習慣としてやらないほうが良いです。
そもそもトランペットの管って空気を通すためのものではないのです。
またあらためて今度トランペットや音楽専用のブログ「ラッパの吹き方:Re」のほうで詳しく書きたいと思います。
荻原明(おぎわらあきら)
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