大滝実先生のバンドディレクション(東京音大吹奏楽アカデミー)

東京音大吹奏楽アカデミーの授業のひとつ、バンドディレクション。今回は長年に渡り埼玉栄高校を、現在は東京都の岩倉高校をご指導されている大滝実先生にZOOMでお話をしていただきました。


実はもう20年ほど前になりますが、ある学校のできたての吹奏楽部を指導していた時に部員を連れて埼玉栄高校吹奏楽部を見学させていただいたことがありました。その時初めて大滝先生にお会いしましたが、落ち着いた口調で大変温厚な中にも良い意味で背筋がピンとなる印象を受けたのを覚えています。


今回は埼玉栄高校と岩倉高校での長きに渡る指導に関するたくさんのお話を聞かせていただきました。


最初にテレビ番組で東フィルを指揮された時の映像を拝見しました。

そう言えば昨年の春でしたか、プロ吹奏楽団「ブラスエクシードトウキョウ」の公演で、師匠の津堅先生と大滝先生両名による指揮でコンサートをされていたのですが残念ながらスケジュールが合わず行けなかったことを思い出しました。


本日の授業では最初に「学校教育における吹奏楽指導の意義と目的」についてお話を伺いました。

近年部活動は縮小傾向にあり、授業優先になってきていますが、社会全体がコミュニケーション能力を求められている今の時代、部活動は絶対に必要なものとおっしゃっていました。僕もまったく同じ考えで、学校の授業はもちろん大事だと思いますが、学年やクラスという垣根を超えて、自分が好きなものを自主的に取り組むにあたって組織を運営していく一員として考え、実行していく部活動は学校教育の中で貴重な存在であると思います。

時代によって変化していくのは当然だとは思うのですが、どうあれ絶対に存在し続けるべきだと思っています。


授業の後半は大滝先生が実際にご指導されている岩倉高校の練習風景をDVDで拝見しました。

シンプルなチューニングや基礎練習の風景でしたが、音楽的アンサンブルの質の高さを強く感じました。言葉が正しいかわかりませんが、「吹奏楽部の上手な吹奏楽」ではなくて「正しい方向性を感じる高いクオリティの音楽」という印象を持ちました。


チューニングに対しての先生の「チューニングは管の長さを揃えることであり、音を合わせにいくことではない。」という言葉に対して心の中で100回うなずきました。

さらに、とにかくユニゾン練習が重要で、ユニゾンができれば80%完成したと言っても良いとおっしゃっていました。本当にそうだとおもいます。


たくさんのお話の中で最も印象的だったのが「コンクールを教えるのではなく、良い音楽を教えてほしい。そのためにコンクールを利用することは良いけれど目的にして欲しくない」という言葉です。


そのように考えていらしても、結果的にコンクールでは輝かしい結果を残されていることに説得力を感じます。

今回はZOOMでの授業になりましたが、本来であれば学校に直接来てくださる予定でした。コロナが落ち着いたらぜひ今度は大学でお会いしたいです。


大滝先生ありがとうございました!





荻原明(おぎわらあきら)

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