最近、コロナの影響で再びオンラインレッスンに切り替える方も増えてきましたが、その中で音楽理論をもう一度きちんと学びたい、とおっしゃる方が何名かいらっしゃいます。
素晴らしいですね、これまでなんとなく楽譜を見て演奏をしてきても「実を言うとよくわかっていないんだけど、今更聞けない」こととか「わかっているようでわかっていなかった」ことって意外に多くて、今こんな世の中ですから、そうした在宅でも音楽のレッスンができるというのはオンラインレッスンのセッティングをしてきて本当によかったと思います。
音楽理論の解説は対面のレッスンでも以前より話題にして、多角的に理解が進むように心がけています。
こうした楽典や音楽理論のオンラインレッスンは、現役の生徒さんの方だけでなく外部の方でもできますので、こんなこと初歩的すぎて質問できないとか思わずなんでもご質問ください。
ところで生徒さんに解説している自分はいったいいつその知識を得たのだろうか、と思い出してみると、高校生の3年間で詰め込みまくりました。
僕は高校生の時かなり異常な生活をしていて、正直なところ高校生活という記憶がほぼ欠落しているんです。トランペットを吹く、ピアノを弾く、楽典の勉強をする、作曲家の伝記みたいなのとか本を読む、CDを聴く、N響を聴きにいくという音楽のことしか頭の中にない生活でした。楽しいと言うよりも音大に入るために無我夢中だったと言う感じ。
「自分は実力も知識も経験もまるでないのに東京音大を目指している」という不安。それに加えて実技試験はこ「こまでできれば絶対合格」という線引き、大学模試でA判定が出るような基準がありませんから、もう常に不安ばかり。
自分でいくら納得できる演奏ができたとしても(そもそもそんなこと一度も思ったことないのですが)、それ以上の実力がある人が何人もいたら合格できない。そんなネガティブ思考に捉われて変な人になっていたように記憶しています。
空回りも多かったと思いますがそれでも何とか現役で合格できたものの、やはり入学してみれば案の定自分より実力が上の人がわんさかいて、あれだけ勉強したはずなのに音楽的な基礎力はギリギリみんなと同じラインでした。
ただ、そうした努力で得た知識はやはり何年経っても覚えているもので、それに加えてこれまで生きてきた経験と知識や理論が少しずつリンクして、その塊が今、レッスンをしている時に役に立っています。
趣味でレッスンをされている方は当然深い理解をする必要はありませんが(興味があればぜひ)、例えば音大を目指す人、将来音楽関係の仕事をする人は、(決して僕のようになれなんて思わないしオススメもしませんが)できる時にできる限りのことをする努力、知識を得るための行動をとることは絶対にしたほうが良いと思います!
最近どこの音大も入試内容がだいぶ軽量化してきている傾向にありますが、だからといって「知らなくて良い」とか「できなくて良い」とか免除しているわけではありません。当然入学すればすべて理解していることが前提でいきなりスタートするわけですし、そもそも音楽をする上ではすべて持っておくべきスキルですから、できるなら中高生の間で手に入れるようにして欲しいと思うのが正直なところです。
知識が多くて損をすることは絶対にありません!
荻原明(おぎわらあきら)
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