楽典と演奏の関連性

楽典を学ぶ行為は西洋音楽がどのように作られているのか、その原理を理解することです。


例えば、楽譜の最初に書いてある拍子記号が4分の4拍子だった場合、分母の4は何を指し、分子の4は何のことかを理解していなければ、楽譜は理解できません。ト音記号とヘ音記号が理解できていなければ五線の上に置かれた音符の位置から音の高さを求めることはできません。テンポ表記の「四分音符=120」の意味がわからなければどのくらいのテンポで演奏すれば良いかわかりません。


このように楽譜を理解する行為は楽典を学ぶことを意味します。音楽を演奏する側に立つと、こうした一定の知識は必ず必要になりますが、必要最低限のことを少しずつ吸収し、理解していくことが多いために、あまり「楽典を学ぶ」といった意識にはなりません。とりあえずはそれで良いと思います。


ただし、そのペースだと音楽理論のすべてを学ぶことは難しいですから、音大受験をしようとか、もっと説得力のある演奏をしたいと思った場合、「敢えて」楽典を学ぶ必要が出てきます。その際、陥りがちなのが、演奏と楽典の関連性が希薄になってしまう状態です。


以前小学校から高校までの授業の形態と、音楽とは相性が悪い、というお話をこのブログで書きました。

学校の授業形態が悪いのではなく、どうしても受け身になりがちなので音楽のように自らの意志を発信する行為とは両極端に位置している部分が存在する、というお話でした。


楽典を学ぶ際も、教科書を開いてノートを取ったりペーパーテストで理解度を確認するなどが一般的な学習方法なために、どうしても学校の授業の勉強方法、受験やテスト勉強と近い意識になりがちで、いつの間にかそれが「音楽、演奏をより良いものにするため」の行為であることを忘れがちなのです。


これでは非常に勿体無いので、楽典は自分の演奏力をサポートするためのものだ、と関連づけるようにして欲しいです。そのために必要なことは、興味や探究心を持つことだと思います。

楽典で学んだことを実際の演奏に活かそうとする姿勢や、外の作品、作曲者それぞれがどのような書き方や解釈をしているのかを調べてみるなど。


特に、レッスンで楽典を学ぼうとすると、より受け身要素が強くなりがちです。しかもレッスンというのは、特定の部分をピンポイントで掘り下げることが多いために、レッスンを受けながらも「この話は前回のあの話と、この部分で繋がっているのだな」などと関連付ける理解をしていくことが大切です。


ともかく、音楽理論は理論で止まるのではなく、それらすべてが自分の演奏を深めるアイテムになっているのだ、と理解し、積極的に活用(どうやって活用されるのかを考えること)してみるのが良いと思います。


(以下CMです)

そういうことなので、昨年行った「楽典オンライン講習会」のアーカイブをぜひご覧いただき、ご自身の演奏を今よりももっと深いものにしてください!詳細とダイジェスト動画は以下のリンク、荻原明オフィシャルサイトをご覧ください。



荻原明(おぎわらあきら)

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