東京音大吹奏楽アカデミー専攻の授業のひとつに「ワークショップ」というのがあります。音楽のお仕事現場をその道のプロの方に教えてもらったり、経験したりする授業で、春学期(前期)はブレーンさんのご協力でレコーディングの実習をさせていただきました。
そして秋学期(後期)は実際の中学校吹奏楽部で指導をさせていただいておりまして、各楽器のレッスンからセクション練習、合奏練習などを学生がそれぞれ担当させてもらっています。
僕も何回か見学させてもらっていて、中学生の子たちと一緒に学生のレッスンを受けました。
吹奏楽アカデミーの授業には「バンドディレクション」というものがあり、指導方法を多角的に学ぶ授業で、そこで吹奏楽の教則本を実際に使って研究したり、バンドディレクター(部活等の指導されている方)に講義をしていただくなどやっていますが、やはり実際の現場に行く経験がなければわからないことが沢山あります。公立の学校だと人数も少なく、練習時間も極限まで少なくされていますし、そもそも中1から楽器を始めた子にとってはまだ数ヶ月しか楽器を触っていないのですから、当然思ったように演奏できない子が圧倒的に多いわけです。
そんな子たちにどのように接し、上達のきっかけを伝えられるかはとても難しく、大変なことで、それを知れるワークショップは貴重な時間だと思います。
僕が勝手に良かれと思って実践している学校の吹奏楽部での指導のスタンスは、
・練習より雰囲気作り優先
・レッスンの進行(テンポ感)がとても大切。どんどんやる。
・肯定的な世界観
・意外に難しい言葉や要求も理解してくれる(すぐできるとは言っていない)
・理論的より実践を優先
・実践の中から生まれる疑問を解決する
いろんなやり方があるのでしょうが、まずはこんな感じでスタートするように心がけています。ただ、これは部活動にあまり指導者が来ていない少人数でのんびりやっている中学校を想定しています。すでに部活動のシステムが構築していて、生徒たちが自主的に動け、明確な目標に向けて計画的に進んでいる学校は、その流れの中に入り込む形で(余計な邪魔はせず、僕の何を必要としているか、それだけに留めるように)レッスンをすることもあります。
ワークショップの授業だけにとどまらず、いろんな現場に参加してもらいたいと思います。
荻原明(おぎわらあきら)
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