スポーツとトランペットの演奏の違い

トランペットを演奏する、ということを特殊技能と位置付ける方はとても多いかもしれません。確かに、トランペットの経験がない方が楽器を手に取った瞬間、オーケストラで演奏したり、ジャズバンドでアドリブソロができるかと言えば、それは難しいでしょう。


しかし僕はレッスンで、「トランペットから音を出すだけなら、そのへんを歩いている人だれでもできる」と言います。


少々誇大した表現ではありますが、あながち間違っているとは思いません。なぜこのような話をしているかと言いますと、トランペットをスポーツと同じように捉えている方がとても多いからです。


スポーツは競技によって人間の体の動き、筋力をユニークに使います。球技や器具を使ったスポーツは特にそうで、ある程度訓練しなければ実現できないことも多いですね。筋力を増強したり、必要な特殊動作を身につけたり。


しかしトランペットは違います。トランペットは「日常生活における動きの範疇で、人間が誰しも持っている筋力で演奏が可能」と考えています。だから、そのへんを歩いている人誰でも演奏できると言っているわけです。


ではなぜ難しいと感じるのか、できない人がいるのか。それが先ほどから言っているように、スポーツ的な捉え方をしているからです。非常に強い筋力や、人間の限度を超えた空気圧を用意するからです。


なぜ音が出るのかを理論的に理解し、本当に必要なものを必要な分量だけバランスよく用意する。この感覚を身に付けるのが難しいと感じてしまう原因です。

ですから、まずは知識を得ること。そして丁寧に大切に体を使うこと。何より最も重要なのが音楽を常に感じること。奏法だけで音楽はできません。


したがって、トランペットから音を出すのは特殊技能とは言えない、と思います。


ただし、その先にある表現力などの「音楽性」に関しては勉強や経験、感性なども必要になるため、一朝一夕とはいきません。そこは大変に難しいところかもしれません。



そんなこと言ってる荻原のレッスンが単発で受けられます。今月27日(水)13:00より受付開始です。ご興味ありましたらぜひ!




荻原明(おぎわらあきら)

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