東京音大吹奏楽アカデミー専攻の授業、楽器別指導法。
金管楽器の最後は石川先生によるホルンでした。
1週目はまずホルンの仲間の紹介。オーケストラではワーグナーやブルックナー作品で度々使用される「ワーグナーテューバ」やバロック時代のロータリーバルブが装着される前のナチュラルホルンについて実際に音を聴かせていただきました。
ほかにもマーチングで使用される楽器などもあり、実際にメロフォンは吹かせてもらいました。楽しい。
その後、実際にホルンを吹いてみることになりましたが、ホルンはとにかくややこしいのです。
吹奏楽指導をしている方はとてもよくわかると思いますが、ホルンは他の楽器以上に条件というか、覚えておくべきことや知識がないまま演奏することで残念な結果になることがたくさんあって、それが楽器の機能的な面(F管とB管について、倍音についてなど)と、持ち方、とくにベルに入れる右手の状態だけでも音色やピッチが大きく変化してしまいます。これを教えられるスキルを持つのは本当に大変で、正直僕もホルンに関しては勉強不足です。
ですから今回はいつも以上に学ぶことが多く、ありがたい時間でした。
2週目も実際に演奏しながら様々なことを学びました。
吹奏楽アカデミーの学生はみんな異常な器用さを持っていて、これまでのすべての木管、金管楽器からすぐに音を出してしまうのです。
しかし今回ばかりはやはり違いました。ホルンの広い音域(倍音の多さ)、FとBの管によるコントロール、in Fの楽譜、そして持ち方とマウスピースのセッティング。これらをクリアしないと特定の音を鳴らすことすら難しいわけです。
なるほどやはりホルンは相当難しいのだとわかりました。
そしてホルンは4パートセットで演奏することが多いわけで、その並び方にも意味や結果があることを教えていただきました。
ボックスで配置された場合と、横並びの状態。ホルンはベルが後ろを向いているので、同じパート内でも聴こえ方が変わります。また、ベルが壁に接近しすぎると音色が硬くなってしまうこと、他の楽器の音がベルに入ってしまうと非常に演奏しづらいことなど、配置だけでなく吹奏楽のどこで演奏するべきかなども教えていただいました。
難しすぎてたびたび学生の頭の上に「???」が浮かんでは消えていたように思いましたが、それも含めての学びですね。
最後に石川先生が「ホルンは専門的な知識が必要な楽器だから、一度はホルンの指導者を吹奏楽には呼ぶべき」とおっしゃっていましたがその通りだと思います。つまみ食いの知識で教えてしまうと、奏者本人も吹奏楽全体としても良いことは生まれません。
とっても勉強になりました。ありがとうございました。
さて、楽器別指導法も残るは打楽器です。これも大変興味深い!またレポート書きます。
荻原明(おぎわらあきら)
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