東京音大吹奏楽アカデミーの授業「バンド・ディレクション」。年度内残すところ2回となり、今回が最後のゲスト講師さんでした。
今回は東京都板橋区立赤塚第三中学校吹奏楽部顧問の齋藤厚子先生です。
赤塚第三中学校は先日の全日本マーチングコンテストにおいて見事金賞を受賞し、3年連続の快挙の成し遂げたことでご存知の方も多いかと思います。
学校名でお分かりの通り、赤塚第三中学校は普通の公立中学校です(以前住んでいたのが板橋区の下赤塚ということろで、歩いても行ける距離でちょっと親近感)。僕自身も公立中学校出身で、指導先に同じような学校もありますのでよくわかりますが私立に比べて環境にかなり限界があります。
しかも齋藤先生は外部指導者ではなく教員。授業もするし、仕事も山ほどある。そんな多忙な中、吹奏楽部の顧問として、また指導者、指揮者として部活動にも携わり、そして素晴らしい結果を出していらっしゃる。
吹奏楽アカデミーは、吹奏楽指導のできる教員を育成することも目的のひとつなので(教員免許取得できます)、まさに齋藤先生は学生の目標のひとつ。その齋藤先生から部活指導以外に教員はどのような仕事があり、部活指導に関わる時間がどれほどまでに限られているのか、現場のリアルなお話をたくさん聞かせてくださいました。
そして吹奏楽部の指導についてのお話を、最後には2年目の金賞を受賞した際のマーチングコンテスト全国大会の映像も観せていただきました。
好きなことを真っ先にやってしまうのが人間の性(さが)ですが、まずはすべきことを一生懸命行うことで、周りはそれを見てくれて、信用してもらえる。だから自分が大変なときに力を貸してくださる、という先生の言葉が印象的で、音楽指導のスキルだけを高くするだけではない指導者として、また人間としての大切さを教えてくださいました。
齋藤先生はバイタリティの塊のような印象を受けました。僕が中学生のとき、齋藤先生みたいなガンガン行く感じの先生いらっしゃったなあ、とか思い出しました。とにかく音楽に対する情熱や生徒たちへの限りない愛情の深さを強く感じ続ける、そんな授業でした。
吹奏楽アカデミーでマーチング授業を担当してくださている井芹先生は、赤塚第三中学校の指導にも関わられているとのことで今回の授業にも参加されていました。また、今回は文化庁から2名の方が授業を見学にいらしてくださり、そのおひとりは学生時代かなり一生懸命吹奏楽に励んでいらっしゃったとのお話も聞かせてくださいました。
今回のような現場のリアルなお話が聞けることは本当に貴重で、年度最後の授業も勉強になることばかりでした。齋藤先生ありがとうございました!
荻原明(おぎわらあきら)
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