「基礎」という言葉、よく使いますよね。
僕が講師をしているプレスト音楽教室は、大手の教室のようにカリキュラムや教則本が決まっているわけではなく、生徒さんそれぞれのレベルや目的によって内容を変えることができます。
もちろん、絶対に伝えておきたいいくつかのことがあるので、レッスンを始めたばかりの時期は生徒さんが知っていても知らなくても確認のためのいろいろなお話や実践を必ず入れています。
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初回のレッスン時、僕は必ず「どのようなレッスンにしたいか」を聞き、相談しながら方向性を決めますが、多くの場合は「基礎を身に付けたい」とおっしゃいます。当然と言えば当然ですね。
ただ、その「基礎」という言葉をどのように使っているのかを聞いてみると、「タンギングが上手になりたい」「高い音を出したい」と、要するに「どんな曲でも吹けるようになりたい」の場合が多いです。
確かに吹奏楽部でも「基礎練習」と言えばテクニカルな練習を指す場合が多いです。
もちろんその認識が間違っているわけではありません。ただ、僕が思う「基礎」というのはもっと根幹のところにあって、それぞれのテクニックに対し「なぜそれができるのか」を理解することだと考えています。
機械の操作方法を学ぶだけでなく、なぜその機能が作動するのか、仕組みそのものを理解する、といったところです。
ですので、タンギングであっても単なる「こうすればキレイにできるよ」と方法だけを僕は伝えません。「タンギングとは何か」から始まって「発音とは何か」「発音はなぜ起こるのか」「クオリティの高さを関係するところは何か」という理論をまずは質問しながら説明をします。それらを知った上で実践し、模索するわけです。
「うわ、こいつめんどくせー!」って思いますか?良いんです、そう思う方がいるのは当然です。これまでにも実際にレッスンで「そんな面倒な話はどうでもいいから早く方法を教えて」といった雰囲気になり、残念ながら辞めてしまった方もいらっしゃるのは事実です。
ですから、最近は体験レッスンで入会された後にそうなってしまうのはお互いが辛くなるので、きちんと「僕はこんなレッスンをします」と伝えるようにしています。
そうしたら先日の体験レッスンで「僕のレッスン、理屈っぽいでしょ?」と言ったら、真顔で「はい」とだけおっしゃって帰られた方もいらっしゃいます。なんと正直な!でもそれで良いと思います。人間、合う合わないがあって当然です。
でもやっぱりこれだけは譲れません。機械の操作方法だけを直接的に教わるのはすぐに結果が出せて効率性が高いように思うかもしれませんが、それだけだと、もしトラブルが起きたときに対処方法がわからないのです。自力で直す術を持っていなかったら、もし機械が壊れた場合、専門家に修理を依頼しなければなりません。でもその修理って、音楽の世界では「レッスン」ですよね。あれれ、なんだか矛盾していませんか?
トラブルが起きても、何が原因でどのようにすれば正常に戻せるのか、もっと言えば、そのトラブルを回避する術を知っておけばそもそもトラブルは起きないわけです。レッスンで学ぶことのひとつがこれだと思います。
僕の個人レッスンの基本スタンスはこのように「理論」を正確に理解する場と位置付けています。もちろんその先にある「音楽」のレッスンも欠かせません。
もちろん理論と言っても年齢や経験年数、レッスンの目的によってその密度は変えていますので、意味不明な言葉を羅列するような専門家の講義みたいなものだとは思わないでくださいね。そんなことはしていませんので。
これから新年度へ向けて新たな環境で楽器にチャレンジしたいと思っている方もいらっしゃることでしょう。部活で先輩になることが楽しみ半分プレッシャー半分の方もいらっしゃると思います。音大受験を本格的に始めようと考えている方もいらっしゃると思います。
僕のレッスンで「基礎」と「音楽」を学び、そして楽しむためのレッスンをぜひ体感してください。
レッスンに関してはこちらの詳細もご覧ください。
荻原明(おぎわらあきら)
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