事務の方から言われてそうだったのかと改めて自覚をしました。
プレスト音楽教室の講師になって、今月で20年だそうです。
マジか。
もうそんなに経つのか、という感じ。
そもそもこの教室の講師になるきっかけは完全なタイミングでしかありませんでした。
当時東京音大を卒業して1年ほどでしたが、自分が音楽で生きていけるかなんて全然わからないフラフラした状態で、毎日のようにフラフラと大学に練習しに行き(当時は卒業生がフラフラ入って練習ができました)、フラフラそのまま飲みに行ってフラフラしてる生活(最悪だ)をしていました。
そんなある日、大学の職員の方がトランペットの練習場所に来て、
「誰か音楽教室で教えたい人〜」
と言われて「やります!」って即答したのがきっかけです。ホントにこれだけ。
この職員の方が音楽教室の社長のご友人だったそうです。
プレスト音楽教室は今年で開業21年目。なので、教室の歴史をほとんど最初から見てきています。この教室は本当に自由で、自分がやりたいと思ったことや、自分が最も良いと思ったことを否定されることなくチャレンジさせてくれるところに相性の良さを感じています。
だからこそ、この教室を自分の音楽生活の基盤として強固なものにしていこうと思えたわけで、もしこれが規約で縛って与えられることだけをこなすような教室だったら僕はここにはいなかったと思うし、僕の音楽人生も全然違ったものになっていたはずです。いや、音楽を諦めていた可能性が高いな。
プレスト音楽教室は、開業当初弦楽器を中心とした教室で、トランペットの生徒さんも1人しかいなかったし、とても肩身の狭い存在でした。しかしありがたいことに少しずつ入会してくださる方も増えて、気がつけば20年の間一度も生徒さんゼロ状態がないまま、現在は40名の方がいらしてくださるようになりました。
自分自身で積極的にトランペットに関するブログを発信していたこともあると思いますが、現在募集中の特別レッスン、講習会、公開レッスンなどの企画をすべて実現させてくれた教室があってこその現在だと思います。
最初の頃はレッスンの仕方も全然わからなくて、受け売りのようなことをやっていた記憶があります。しかしそれではダメだと思い、トランペットのことをもっと深く研究して、自分なりに答えを導くようにひとつずつ研究したり実験したりとするうちに、理論のループのようなものを見つけられるようになり、そうしたところから、レッスンスタイルも確立してきて今に至ります。
理論的で理屈っぽいところから、抽象的で感覚的な音楽の表現を繋ぐバイパスを作り出せたらいいな、と思って今はより一層研究しているところです。
世の中がこんな状況ですから、音楽をすること、レッスンをすることすら許されない雰囲気になりつつあるのですが、この戦いは多分長期戦になりそうなので、単純に「じゃあ何もしない」篭城作戦だけを続けていくと、ゆっくりと死んでいくことになりかねません。だからといって、「国の保証ガー」「政治ガー」と人任せばかりで文句言ってもしょうがないですから、頭を使って工夫をして、しかし無謀なことや無理なことはしない「ちょうど良いバランス」を模索し、生活スタイルを可能な限り安定させていくことをどうしたらできるか考えています。
トランペットも生活も、バランスが大事です。
ということで、これから先もプレスト音楽教室の講師としていられるよう、今を乗り切っていきたいと思います。今後ともよろしくお願いします。
荻原明(おぎわらあきら)
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