生徒さんで学校の先生でもある「おのれー」さん。
中学校の吹奏楽部でトランペットにパートが決まった新入部員の初心者の子と一緒に練習しながら成長していくためにはどんなレッスンをしたらよいか、というリクエストでレッスンを行いました。
まだ呼吸器系が本調子ではないので、レッスンで初心者の中学生とどう練習を進めていくか、教本を使いながらシミュレーションをして頂きました。簡単な譜面でも、何を感じ、考えて取り組むかでつかめるものもだいぶ変わるもの。初心者だからこそ、主体的に取り組む習慣をつけていくことも大事だなと。→
— おのれー (@rapparapa18) August 12, 2022
僕のレッスンはどんな内容でもOKなので、とは言ってもほとんどの場合教則本や曲をつかって基礎力や音楽性を高める、いわゆる「音楽レッスン」スタイルなのですが、今回のお題は興味深い視点でした。
ところで多くの吹奏楽部は、配布された曲や基礎練習しかやらないことが多くないですか?僕は中学生の時に、渡された曲しか吹けないのがものすごくつまらなかったので、ドラクエとは勝手にいろんな楽譜を手に入れてきては吹いたり、部室にあった楽譜を引っ張り出して片っ端吹いて遊んでいました(サンチェスの子供たちとか)。多分先輩から見たら勝手なことばかりしてイラっとする部員だったと思います。
でも「与えられた楽譜しか吹かない」傾向が当たり前だと思ってしまうと、自分で積極的に曲を探して聴こうとする習慣が生まれず、部活出会ったた曲やジャンルしかしらない場合がとても多いのです。吹奏楽のオリジナル、オーケストラ作品、ジャズ、ラテン、民謡、演歌、ポップス...音楽にはとてもたくさんのジャンルやスタイルがあって、どれも魅力があります。
基礎練習に関しても、大概どの部活も同じことばかりやっているから、B durは全員吹けるのにg mollは誰も吹けない、そもそも短調の仕組みを知らないとか、リップスラー全然やらないとか。教則本を応用的に使うことが少ないので楽譜に書いてあることをただの習慣として吹くだけの時間になっていることも多いです。だから基礎練習はつまらないと感じてしまうし、重要性や必要性に気づくこともなくなってしまうのです。
僕はずっとこれが気になっていたので、今回のレッスンではひとつの初心者用教則本を用いて、できる限り広範囲な音楽の話をしつつ、超浅く広くスタイルで実践しました。
音楽の理論がわからなくても説明なんていくらでもできます。例えば「音と音の距離が違うと印象が違う」とか「五線の左にフラットがつくと、ドレミが変わる」とか、拍子が違うと何が変わるのか。同じ曲なのにテンポが変わると印象がかわるね、とか文字で書いてあるテンポ、音符の記号ってどんなイメージで演奏してみようか?、そんな話の中にタンギングの仕組みとか音の高さがなぜ変わるのかなども織り込んで、もうなんでもお話できるわけです。
この教則本にたびたび出てくる二重奏では、合図をどうやって出すか、一緒にタイミングを合わせるにはどんなことを心がけるのか、音が2つあると楽しいね、なんてお話をしてみたりと、もう気づいたことを片っ端から解説して、吹いての繰り返し。
今回はレッスンでしたから大量にお話しましたが、実際に中1の子と一緒に練習するのであればそうしたものを1回に1つか2つに絞って実践することでしょう。そうしたら、もう1年間じゃ足りないと思います。充実します。
音楽は自由で、とても広い世界なんだ、と知って興味を持ってもらえれば、自分から探して聴いてみたり、自分が好きな音楽やスタイルにも出会えるかもしれません。そうしたら大成功です。
今回はそんな感じのとても意義のある楽しいレッスンでした。
ちなみにこのとき使った教則本は「ラーン・トゥ・プレイ トランペット コルネット教本」です。
大変歴史のある教則本で、アメリカスタイルの音名で書かれていたり、足タップをめちゃくちゃ推奨したりと、指導者が一緒にいないといろいろ危険が伴う教則本ではありますが、ひとつひとつの曲が大変短くて、どんどん進んでいける作りはとてもよくできています。
多分アメリカのスクールバンドで始めた小学生の子が楽しく成長できるように作っているのだろうと思います。
荻原のレッスンでは、生徒さんのレベルやご要望に沿った内容で進んでいきます。こちらの動画では、どのような感じでレッスンが進んでいくのか、そのごく一例をまとめてみましたので、よろしけばご覧ください。
レッスンは様々な方法で受講できます。ご興味ありましたら荻原明オフィシャルサイトをご覧ください。
荻原明(おぎわらあきら)
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