玉寄先生のバンドディレクション授業

今週月曜の東京音大吹奏楽アカデミー専攻の授業「バンドディレクション」は羽村第一中学校吹奏楽部を指導されている玉寄勝治先生にお越しいただきました。


玉寄先生は現在、羽村市教育委員会で小中一貫教育の音楽を担当され、明星大学客員教授でもいらっしゃいます。


部活指導をされて吹奏楽コンクールや様々な演奏活動において素晴らしい功績を残された先生方は、教育、部活動、吹奏楽の発展のために活動範囲を広げられる方が多い印象がありますが、玉寄先生は教育委員会といういわば教育の縁の下からも支えられている素晴らしい方です。


授業の最初にはそうした学校教育と部活動の関係、現状、そして玉寄先生がその中でどういった活動をされているのかを聞かせていただきました。

ご存知の通り現在部活動は大幅な縮小傾向にあり、そして子どもの数も減っています。そうした中で吹奏楽が生き残るために考えられた「授業の中に吹奏楽を取り入れる」という発想は、僕の中にはないなるほど納得なお話でした。とは言え、それを実現していくにはとてもご苦労がとても多いことと思います。


そして後半は吹奏楽指導で実際にされている音程感覚を養うトレーニングです。

(↑玉寄先生のピアノで音程感を養うトレーニング実践中)


中学生や小学生の吹奏楽を指導されている方にはいつも関心しますが、トレーニングをゲームや遊びの要素を取り入れることが大変に上手だな、と感じます。

玉寄先生の音程感覚トレーニングもとてもシンプルではありますが奥が深く、やりがいのある内容でした。興味深かったのは、音程やハーモニーに関してあまり深く説明していないにも関わらず、このトレーニングで生まれる響きは非常に音楽的であり、よく見かけるチューナーを目の前にして楽器から出てくる音をこねくり回すあの良くない練習から最も遠い距離にある素晴らしい方法だと言う点。自然にみんなが良い響きを生み出していました。


僕もトランペットの個人レッスンでは音程に関するお話はよくします。平均律から生まれた「半音」という音程。楽譜上での表記が半音か全音かが見分けにくいので、意識していないとついついぶっきらぼうな演奏になりがちです。そうならないよう、音楽的に美しく演奏できることが音程感を持つ第一歩だと考えています。

玉寄先生に教わった半音と全音の感覚トレーニングをトランペットのレッスンの参考にさせていただきます。



今回の講義について、玉寄先生もご自身のブログに書いてくださいました。ぜひご覧ください。


吹奏楽アカデミーは今年度から始まったのでまだ数えるくらいしかバンドディレクションもやっていませんが、すでにものすごいデータ量です。定期的に総集編というかまとめの授業時間を用意したほうがいいのではないか、と思うくらいです。講義には講師も参加していますが、学生以上に盛り上がったりして、学生なんだか講師なんだか、というときもあります。それだけ面白いんです、吹奏楽アカデミー。



玉寄先生、ありがとうございました!またぜひいらしてください!




荻原明(おぎわらあきら)

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