僕もリアルタイムで見ていたのですが、こんなまとめ記事がネットにありました。
まあ、軽く話題になるんだろうなとは思っていましたがやっぱりそうでした。
はっきり言って、別に騒ぐことじゃないと思うんですよね。
単に需要と供給が成立した話にすぎないから。
ちょっとしたイラストを1点このくらいの値段で欲しいな、
と考える人がいて、ネットで探したら
自分の書いたイラストが1点でこの値段くらいの価値だ、
と考える人がいた。
よかった!
それだけなのですから。
イラストだけでなくクリエイティブなものの価値や値段は、金(きん)とか石油などのように「今の価値はこれ!」と示すことのできないとてもアバウトなものです。
とても安く値段を設定している人もいれば、それなりのお値段を出してくる人もいる。
その値段を決めるのも、依頼を引き受けるか否かもすべてはクリエイター自身の判断によるものです。
「そんな安い値段で設定したら、イラストレーターが食っていけなくなる」
それは違うと思います。
なぜならそんな業界、山ほどあるから。
例えばお寿司屋さんなんかはそれで、一皿100円のグルグルしてるお寿司が、銀座のお寿司屋さんを軒並み潰したかと言えばそんなことはまったくないわけです。
この場合「お寿司」というキーワードが同じだけで、お客さんの求めているものは全く違うからです。
例えば、
A:ハラヘッタからそこの回転寿司で昼飯にしよう
B:今日は年に一度の記念日だから銀座のお寿司屋さんに行こう
金額というよりも「価値」。
イラストだって同じです。
A:ちょっと近所に配布するチラシが字だけだと寂しいからイラスト欲しいなあ。
B:社運をかけた一世一代の広告を渋谷スクランブル交差点に掲げよう。
求めるものが全然違います。
少し厳しいことを言えば、そんなことで騒ぐ人は自分が生み出す作品に自信がないからだと思います。
自分が生み出すイラストにはこれぐらいの価値がある!(1点数千円なんてもってのほか!)
と本気で思っているか。
そして、その価格設定できちんと依頼が来ているか。
これは画力だけに限ったことではなく、総合的なマーケティング力が問われることですが「自分と自分の生み出したものをしっかりと世の中に伝えられているか」も大切です。
それで安定的に仕事の依頼が来て、「プロ」として生活できているのであれば、いちいち主婦がちょっとスキルを持っていて、ネットで「アマチュア」としてとてつもない安さでイラストを売っていることなど、どうでもいいことだと思うはずです。
そんなアマチュアすらも自分をおびやかす存在だ、と思っているんじゃないですか?
銀座のお寿司屋さんが回転寿司に目くじらたてます?
荻原明(おぎわらあきら)
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