東京音大吹奏楽アカデミー専攻も今年3年目を迎え、学生の数も40名近くになりました。
開講初年度は学生数より講師数が上回っていて、講師の合奏の中に学生が入って演奏しているような状態だったのも今となっては懐かしさすら覚えます。
通常、管打専攻では学生だけで合奏授業を受けるわけですが、前述のように吹奏楽アカデミーの特徴のひとつとして、講師が合奏に常に参加する点が挙げられると思います。常に隣や前後にすべての楽器の講師がいるので、とても良い刺激になるわけですが、ただ、捉え方を間違うと講師の演奏力に委ねてしまうことにもなりかねません。
そこで今回の合奏では原則講師が参加せず学生だけで演奏する曲を用意して、チャレンジしています。
当然演奏力、表現力という点でも変化は起こりますがそれ以上に僕が感じるのが「牽引力」がなくなってしまう点です。指揮者の棒の動きに各自がタイミングを合わせようとしている集合体のようになってしまい、それぞれが一歩引いた状態になることで自分から音楽を作っていこう、ひっぱっていこうという意思があまり感じられず、どうしてもモタモタした演奏になっている印象を受けます。
「あらかじめスコアを読んで展開を理解し、自分がそれぞれの場面でどんな立場なのかを理解して演奏することが大切」と、この合奏で気づいてくれていたら嬉しいのですが、どうでしょう。
もう本番まで1ヶ月を切りました。合奏授業の回数も限られていますので、どこまで伸ばせられるか、講師の力以上に学生の取り組みが当然重要ですから、ぜひとも頑張ってもらいたいと思います。
それにしても今年度トランペットが入ってくれたので個人的にはだいぶ楽になりました。昨年度までは僕ひとりで合奏していましたから...。
荻原明(おぎわらあきら)
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